第11次去香港 Day 4

marik2007-04-28


ホテルを出て上海街を下り、美都餐室へ。このお店に行くのは初めて。タイル貼りのレトロな内装がなるほどとても風情ある趣。こってりした西多士に甘い凍女乃茶で寝起きの胃袋を酷使。香港式フレンチトースト、初めて食べました。油で揚げたパンにバター添えのメタボリックまっしぐらなジャンク感がたまらない。おいC!食後はさらに南下して玉器市場へ。ここも初めて。すいすいと見てまわり3分ほどで退出。

ついでに佐敦まで行っちゃえ、と南下して佐敦道を歩いていると、人和豆品という店先のメニューの芒果豆腐花という文字に吸い寄せられて入店。マンゴーのグラマラスな味わいと、素朴な豆腐花の組み合わせって、ほんと絶品。度重なる甘いものの投入に、口の中が甘甘だ。義順の前を通りかかったものの、これ以上の甘みは摂取できない、と牛乳プリンを泣く泣く無視しながら通りすぎた。

結局九龍公園まで歩いてしまい、ついでに園内散歩。MTR尖沙咀の駅から油麻地まで戻り、信和中心のCD屋でイーソンの新譜を購入。購入特典のポスターを渡されそうになり、思いきり「ロ吾要!」と言いきったら店員さんが笑っていた。

ホテルに一旦戻り、気づくとセントラルでの待ち合わせ時間が迫っていたので慌てて部屋を出た。もちろんMTRで行ってしまうのが早いのだけど、待ち合わせ場所がIFCなのでフェリーの方がいいかも、とスターフェリーばかの血が沸きあがる。MTRの駅からスターフェリー乗り場まで歩くのも面倒だし、ピアまでタクシーで行っちゃおう、とホテルからタクシーに乗車。これがとんだ誤算。

道はわりと混んでいたものの運転手と和やかに会話をしながら乗っていたところ、気づけばタクシーはなぜかホンハム方面に。「ホンハムじゃなくて尖沙咀のスターフェリー乗り場なのですが」と言うも、「ダイジョウブ、ダイジョウブ(なぜか日本語)。安くしておくよ」という運転手。車はやがてホンハムの体育館に。意味が分からない。待ち合わせ時間まであと15分ほどしかないのに、なぜ、ホンハムに?
Aに電話して、「旺角から尖沙咀までタクシーで行こうとしたら、ホンハムに連れてこられちゃったよー。ワハハー」と話したり、ホテルでタクシーを停めてもらったときにホテルのスタッフが記入してくれたタクシー番号の紙をじっと見たりしていると、「お金、いらないから。ダイジョウブ、ダイジョウブ」と言いだし、車でその辺をぐるぐる回りはじめた運転手。「お金はともかく、時間が無いの。もういいよ、KCRで尖沙咀東まで行くからここで降りるよ」と言うと、「ゴメンねー」と素直に降ろしてくれた。あれはなんだったのだろう。

無料とはいえ意味もなくホンハムまで来てしまった。ものすごいタイムロスに半泣きでホンハムの駅にかけこみ、初めてのKCRに乗車。TST東の駅からスターフェリー(あくまでもフェリーに乗りたがり)ピアまで、がしがし歩いた。タクシーに乗った意味、ゼロ。

地上のそんなドタバタも、スターフェリーに乗るとすっと遠のき、ただ穏やかな波のリズムに身をまかせるだけ。シアワセ。やっとの思いで香港島にたどりついてA姐と合流し、羅富記で皮蛋痩肉粥を食べてひとごこち。エクスチェンジ・スクエアのターミナルから赤柱行きのバスに乗車して、ようやく本日のメインイベントの開始。

香港島の裏側に行くのも初体験。緑深い車窓の風景に感激。やがて海が見えてきて、「うみ!うみ!」と興奮する30代女性。いくつもの角を曲がると、写真でよく見る真ん中空洞マンションが見えてきた。レパルスベイに到着。初夏よりももうちょっと暑いくらいの気候で、水の中は気持ちよさそう。水着持ってくればよかった!と思ったけれど、海水の微妙な色合いにちょっと躊躇。

砂浜をよたよたと歩きながら、目指すは天后廟。極彩色の神様たちが奉られたキッチュな空間で、幼少期のトラウマ、タイガーバームガーデンを思い出しました。こういう場所があるってずっと知らなかったのだけど、日本や韓国からの観光客が沢山来ていたので、有名なところのよう。ここに縁結の石があるというbenibachiさんからの事前情報に熱烈に食いついてたオレは、巻物を持った老人像を目がけてまっしぐら。石をがしがしと撫でまわしました。

無事ミッションを遂行し、再度バスに乗り込み赤柱へ。道中、人が住んでいる気配のなさそうな高級マンションやコンドミニアムが沢山目に付いた。このあたりに住んで、翻訳を生業としながらのんびり生活するものいいよねえ・・・と夢想。

水辺の景色って万国共通なのか、赤柱の海沿いを歩いていると、ポルトガルのナザレをなんとなく思い出した。心地よい風が吹き、海が目の前に広がり、よさげなカフェが立ち並ぶ非常に快適な空間。その中の一軒に入り、ビール飲みながら延々とトーク。陽がかげりはじめるころ、マーケットの中を探索して布モノなどをいろいろ購入。

中環へと戻るバスに乗って赤柱のターミナルを出ると、派手な交通事故の事故処理現場に遭遇。バス(1階建て)がコンドミニアムの門に激突して門が大破、バスも乗り口のあたりがかなりひしゃげていて、ちょっと物騒なかんじだった。

バスが街中に戻ってきたところで、湾仔で下車し、トラムに乗ってハッピーバレーへ。久しぶりに「ほまれまんぼう(譽滿坊)」で夜飲茶。フカヒレ餃子おいしい!何もかもおいしい!食事中、厨房の方で何かを落としたようなドンっ、という音がして、その音のあまりの大きさに店内が一瞬だけシーーンとした。香港の飲食店であんなに静かな瞬間を経験したのは初めて。デザートはタピオカ入り焼きプリン。あまーい。その甘さがやがてクセになるような、もちもちした食感もナイスな一品。

気づけば今回の帰省も最後の夜。しょんぼり。この街に住みたいモードがいつものようにマックスで、ハッピバレーの閑静な街をぷらぷらと歩きながら不動産の店先の物件などを真剣に吟味。トラムで中環まで行ったところでAに別れを告げて下車。またすぐに会おう!

フェリーでしばし見納めの夜景を惜しみながら九龍サイドに戻り、MRTで旺角へ。眠くてふらふらするので早くホテルに戻ればいいのに、ワンナイト・イン・モンコック気取りで街中を歩き回り、すいかジュースを飲みながら限界まで歩き回った。夜の上海街はけっこう怪しげな雰囲気。

ホテルはホテルで窓からの景色がいとおしすぎるし、ガラスばりの風呂場で湯船につかりながらつけっぱなしのMTVを見ていると、ジェイがトゥーランドットの「誰も寝てはならぬ」を中国語で歌っているMOTORORAのCMが流れたりで、楽しくて仕方がなかった。MTVでジェイの「双刀」のMVが流れ、ぎゃー懐かしい!とニコニコした直後にデビタオさんの「My Anata」のキモい(いい意味で!)MVも流れる豪華なラインナップ。そうして更けていく香港の夜。