第11次去香港 Day 5

朝からホテルのすぐそばの路上に広がる街市を散歩。網状の袋にぎっしりと入った蛙が網の中で次々に飛びはねているさまにビビったり、ドリアンの山に胸をときめかせながら、肉と魚と果物と乾物が入り混じった香港の市場独特の匂いとにぎやかな広東語に包まれて歩く。美味しそうな海老がぎっしり乗った籠の上に乗せられた値札が信じられないほど安い。街市はワンダーランドだよ。

女人街を歩いていると、屋台の開店準備に遭遇。運動会のテントを組み立てる要領で、各屋台の背の高いテントを手馴れた様子で組み立てる人々。毎朝テントを建てて毎晩解体してという作業、気が遠くなりそうな面倒くさい作業だけど、慣れればそうでもないのかしら。と考えながら、通りすがりの茶餐廳の「蚵仔粥」という文字に猛烈に惹かれる。香港で牡蠣を食べるのは初めてなので、若干の不安を覚えつつ凍檸茶とともにオーダー。でっかいどんぶりにわっさーと入った、ぷりぷりの牡蠣とぽろぽろの米。粥は粥でも香港のとろりとした粥とはまた違う、おじや的な一品。かつおだしが効いたような味わいや、牡蠣とともに贓物や香草が入っているところが、台北の西門の阿宗麺線のようだった。

油麻地まで下って義順で牛乳プリン&パパイヤミルク。レジの横には、購入できる義順グッズの一覧表が貼っているのがうれしい。ランガムプレイスまで戻って皇后餅店でヌガーを購入し、部屋に戻って荷物をまとめてチェックアウト。さらば透明バスルーム。屋上のプールでのんびりしようと思って水着を持ってきたのに、プールに行く時間が1秒たりとも捻出できなかったのが残念。

九龍駅で飛行機のチェックインを済ませ、シャトルバスで尖沙咀まで。糖朝の店舗がごっそり無くなっていてびっくり。道路の反対側から見ただけなので、旧店舗の店先になにやら紙が貼ってあることしか分からなかったけれど、どこかに移動したのかな?買い物ラストスパートを片付け、満記甜品でマンゴーミルク。

去り際もやっぱりスターフェリー乗船。この5日間で、ビクトリア湾の上をいったい何往復しただろう。セントラルの乗り場が動いた分、船に乗っている時間は短くなったのだということに、やっと気づいた。ジェイ・チョウさんの「軌跡」のイントロで船が動き出し、曲が終わるのと同時に接岸したので、5分ちょいくらいの船旅ですね。

アマさんたちが集う日曜のセントラルを、日本のお母さんたちの公園デビューみたいに、フィリピンから来たばかりの人も、休みの日に集う仲間のどのグループに入るのか悩んだりして、緊張のセントラルデビューが待ち受けているのかしら、と考えながら通りぬける。私もフィリピン人に見えるのか、「新入り?どこに行くの?」的目線を、路上に集っている人たちからしょっちゅう向けられているような気がしてならないのは気のせいでしょうか。この日、帰国便の中で日本人スチュワーデスに日本の入国書類を渡され、成田でリムジンバスを待っているときには係員に英語で話しかけられたわたし。

泰昌餅家でエッグタルトを買い込み、お向かいの羅富記でワンタン麺。なごり惜しス。香港の空気に別れを告げ、しょんぼりとエアポートエクスプレスに乗車。空港では出国前の最高に憂鬱な心持ちを、出国ゲート入り口手前に大々的に展開されていたジェイ・チョウ氏のでっかい広告がなぐさめてくれました。多謝杰倫!再見香港!