エジプト・中東シリーズ 三日目:カイロ-シャルム・エル・シェイク

12:45発の国内線に乗る予定で、空港からホテルに来るときはたしか40分くらいかかったから、渋滞を考慮しても1時間ちょいあれば空港に着くよねー、火曜の午前中なんてひどく渋滞する理由もないだろうし、と、今おもえば甘すぎるほどに甘すぎる逆算を行い、10:30にタクシーでホテルを出発。ホテル周りは空いていて、ラクダやロバがふつうに車道を歩いていたりして、おお、楽しい光景だわ、と余裕だったのですが。
ギザを出てナイル川を渡るころに1時間経過。中州を出てふたたびナイル川を渡るのに30分。もうそろそろ空港に着いてなくちゃいけない時間なのだが・・・と思いながら前日お世話になったグーグルマップを見たら、現在地から空港までふつうに走っても50分くらい。目の前には動かない車の列・・・死にそう。
たしか13:45の便もあったはずだから、乗り遅れる前に変更手続きしておこうかな、とエジプト航空の市内や空港のオフィスに電話をかけまくっても全然つながらず。だいたい渋滞する意味もわからない!別に事故渋滞とかじゃなくて、カイロ市内の渋滞は大体いつもこんなかんじらしい。改善策を講じようとか思わないのかな。とキリキリキリキリしながら空港に着いたのが12:30。はい終了。
チケットオフィスにかけこんで、「渋滞のせいで乗り遅れました。。。どうしたらいいですか?」と半泣きで聞いたら「次の便は19:00すぎです」と。「あれ?13:45の便があると思うんですけど」「それはもう乗れません」とのこと。チーン。
手数料150ポンドで変更手続きが完了。チェックインは17:00から可能とのこと。しーーーーーん。というかんじでしばし空港内にたたずむ。
とりあえずセキュリティを抜け、チェックインカウンターが並ぶエリアの椅子で時間になるまで読書。午後にはシャルムエルシェイクに着いてー、紅海のほとりで読書してー、明日シュノーケリングか体験ダイビングができるようにアレンジしちゃおー。という計画が崩れた無念さが何度も胸にこみあげてくる。しーーーーーん。
4時間くらいずーーーーっとすわりっぱなしで、さて17:00になったからさっさとチェックインしてスーツケース預けちゃおう、あ、本をもう一冊出しておこう、とスーツケースの暗証番号を回したら開かない。
なんだろう今日という日は。なんか、呪い?
どうがんばってもリモワのロックが解除されない。
呪い?
しずかにパニックをおこし、近くにいた空港職員を捕まえて、「スーツケースのロックが開かなくなっちゃった!暗証番号は合ってるのに!空港のなかに鍵屋さんはありませんか?」と質問。冷静に考えると、どんな空港でもないよね、そんなお店。たぶん。職員さんがいい人で「えー、ちょっと試していい?」と暗証番号3つの横についてる鍵穴に手持ちの鍵をいくつかつっこんだりしてくれたり。「どこに行くの?ああ、シャルムエルシェイクなら空港の近くのオールド・マーケットに鍵屋があるはずだよ。向こうに着いたら行ってみなよ」とナイス・アドヴァイス。ありがとう。
チェックインカウンターで開かないスーツケースを預けたあと、搭乗口方面に向かいビールとサンドイッチで一息。ネットで調べたらリモワの暗証番号が何かのはずみで変わることがある、と書いてあって、たとえば、001の暗証番号がなにかの負荷とかはずみのせいで002に変わっちゃったりすることがあるらしい。
今朝の自分の行動を思い出す。普段はスーツケースをばたんと閉めて、ファスナーをういーんと閉じたあと、スーツケースを立ててからカチリとファスナーの先端をはめこみ数字の部分を動かしてロックするのだけど、その日に限って、スーツケースの上に座り込んでファスナーを閉じたあと、そのまま座ったままスーツケースを立てないでファスナーの先端をはめこみ、数字を動かしたのでした。そのせいで暗証番号が変わっちゃった可能性に賭けてみることを決意。

水を買って飛行機に乗ろうとしたら搭乗ゲート前でセキュリティチェックがあってペットボトル持ち込み禁止が判明。このパターン大嫌い。
たった1時間の国内線フライトに乗るのに、ホテルを出てからすでに9時間経過。難儀なことよ。昼間のフライトだったら、紅海の美しい景色を上空から楽しめたかもしれないなあ、とまだイジイジしていた。

そしてこの機内でエジプトの本当のすごさを思い知る。目的地が近づきシートベルト着用サインがつき、すべての電子機器のご利用をおやめくださいアナウンスが流れたのち、後ろの席でアラビアンな着信音が鳴り響いたと思ったら、まさかの「もしもし」。出るんかい!普通に通話を続ける乗客。ななめ前の席の若者はずーっとiPadでゲームを続けている。通路を挟んだ隣のおじさんは機体がぎゅーんと滑走路に近づくころに携帯をとりだし発信。おしゃべりしながら着陸。
皆どれだけ電話好きなんだろう、とウケながら飛行機を降りようとしたらパイロットまでもがドア前で乗客を見送りながら携帯片手に通話中だった。すごいよエジプト。
荷物をさくっとピックアップし、タクシーのたまり場でよろよろとタクシーに乗り込むとき、うっかり料金の交渉をせずに一番素朴そうな若者のタクシーに乗りこんでしまい、地球の歩き方に乗ってた参考の金額の3倍の金額を言われ交渉するも通らずプンスカ。
ようやくホテルにたどりつき、ためしに暗証番号の一桁目をひとつずらしたら、開いた!!不精してリモワの上に座ったまま鍵しめちゃダメだと胸に刻みつけました。
お風呂にお湯ためてはぁぁぁあっと生き返った。ものの、髪や体を洗っているうちに、シャワーからお湯が出なくなってきて、最終的に冷たい水でお風呂タイム終了。ヒルトンです。一応。
はあ。そんな日もあるよね。