オデッセイ


マット・デイモン、また惑星に取り残されちゃったねえ!ジェシカ・チャスティンは今度は自分が宇宙に出られてよかったねえ。
と、某映画を観たひとがもれなく考えるであろうことをわたしも考えながら観てました。今度のマットはいいマットだった。好感度大。

絶望的な状況を知的にたくましくユーモアを忘れずに乗り切る、なんともカラっとした良い映画。火星だけにカラッカラに乾いてるよ。 時にはしょんぼりしたりもするけれど、でも立ち上がるよ、できるかぎりのことに力をつくして、生きられるところまで精いっぱい生きるよ、という冷静な強さに胸を打たれます。

音楽も最高ですね。70年代ディスコチューン祭り。出てくる音楽ぜんぶ「おおー!」ってテンションあがるんだけど、主人公にそれを伝えると「マジかよ勘弁して死ぬ!」って言われるよね。ホットスタッフのくだりめっちゃ笑ったけど、科学的に考えるとあのシチュエーションけっこう怖い。 デヴィッド・ボウイのスターマンのところもよかった。そしてこんなにも”I Will Survive”がぴたっとハマる映画もちょっとない。
中国マーケットへの愛想ふりまき感がなかなか衝撃的だったんだけど、あれは原作の通りなのかな?

マットを地球に還そうと奮闘するNASAJPLの人たちもの描写もカラっとしてて良い。頭のいい人たちが、できるかぎりのことをがんばる様子が見ていて気持ちがいい。ショーン・ビーンとかジェフ・ダニエルズとかクリスティン・ウィグとか、キャスティングが完璧。NASA長官役でしゃきっとしたジェフ・ダニエルズを見ることができて、『帰ってきたミスター・ダマー』のつらさがどうにか払拭されました。よかった。。。

メガネをかけたひとが特にいい感じの役者だなあ、チュイテル・エジォフォーに似てるけどチュイテル・エジォフォーってもうちょっとクセがあるからこのひとはチュイテル・エジォフォーではないよね、とずっと思ってたんだけど、エンディングでチュイテル・エジォフォーご本人だと判明(チュイテル・エジォフォーって書きたいだけ)。見る作品ごとに印象がぜんぜん違うからすごいねチュイテル・エジォフォー。