フランス2016 Rendez-vous à Bordeaux: 2日目 CDG-BOD

前日の羊は幻覚かと思ったら、本日も健在。

ボルドー行きのフライトにセルフチェックインする際に、アサインされてた席よりももうちょっと前の座席にしようかな、となんとなくラストミニットで座席を変更したのだけれど、これがのちにけっこう愉快なめぐり合わせにつながることに。
預入荷物のセルフチェックインを初めてやってみたんだけど、簡単だしなんか楽しい!このシステムってエールフランスとかKLMだけなのかな?

搭乗開始時刻にゲートに行ったら、まだ飛行機すら見当たらない!まさかの遅延!ちょっとーー!今日だけはやめてーー!結局1時間遅れで出発することに。。。

搭乗すると、3人がけの通路側の女性と窓側の男性が英語で談笑していて、その真ん中にすっぽりと収まってぼんやり話を聞いてると、どうも女性は日本人っぽいし、男性はブラジル帰りのフランス人っぽくて、サン・パウロがどうこうとか楽しそうな話をしてる!「僕たちの会話が邪魔だったら席を替わろうか?」と男性に聞かれ、「いえ、なんか楽しそうだからわたしもジョインしたいなー、って思ってたんです」と強引に割り込んで、3人でわいわいおしゃべり。

お二方も初対面で、たまたま科学者同士とのこと。ふたりの科学者に挟まれながらさらに別の科学者に会いに行く、というシチュエーションがなんかウケると思っていたら、男性のほうは私がこれから会いに行くPと同じ研究所に所属していて、大きな施設にも関わらず「あー、彼のこと知ってる!たまに顏を合わせると情報交換とかしてるよ」と言われるミラクル。small worldですね。

日本人の方の研究の話を聞くのもおもしろかったし、アメリカやフランスの大統領選やらハルキ・ムラカミの話やらで盛り上がっていたらあっという間にボルドー到着。今までに飛行機で乗り合わせた人たちの出会いのなかでいちばん楽しかった!

荷物のピックアップ場所はガラス張りになっていて、迎えに来ていたPを見つけて手をふりあっているところに、くだんのフランス人同僚が顏を出して手をふるので驚くP。

さすがボルドーターンテーブルにワインがどーーん!

セルフで預け入れた荷物も早々に出てきて、お二人と別れていざ到着ロビーへ。2か月前に成田でPをお見送りして以来の再会。長かった!!
車でPの自宅へ。ボルドーって狭い街だと勝手に思いこんでいたけれど、やたら広いなあ、というのが第一印象。家の近所でボルドーでいちばんおいしいらしいカヌレを買ってくれた。たしかにもっちもちで美味しい!

P宅ではうさぎのマルセル君がお出迎え。もふもふのおりこうさん。落ちついた哲学者的ななたたずまいながら、大好物のとっておきの餌をあげるとすごいテンションあがってすりすりしてくるのもめちゃくちゃ可愛い。

到着早々、Pご自慢のすっごいワインセラーを拝見。圧巻。アルザスで生まれ育ち、カリフォルニアで暮らしたのちにボルドーに定住という、ワインの産地でしか暮らしたことがない羨ましい人生。Pと出会うまで、アルザスに美味しいワインがいっぱいあるって知らなかった。アルザスのマスカット、Guewurtztraminer、Crémantあたりが最近のお気に入りです。

前菜にキャビア似のなにかとかスモークサーモンとかささっと出してもらい、日当たりのいいリビングで昼間からおいしいワインを飲みながら、世界で1番キュートな(当社比)男子が料理を作ってくれるのを待つ贅沢な時間。はるばる1万キロ飛んでくる価値、プライスレス。わたしが死ぬ前に聞きたい歌No.1の、スティング先生の”Fields of Gold”を流してくれるのもスイート。

鴨肉にマッシュポテトをたっぷりかけてオーブンで焼いたやつを美味しくいただきながら、今回の滞在プランのご提案を拝聴。とりあえず今日はサン=テミリオンに連れて行ってくれるとのこと。サン=テミリオン産のワイン美味しいよね。
いくつものぶどう畑を車窓に眺めながら、1時間弱でサン=テミリオンへ到着。パラついていた小雨が上がったところで虹が出てきてロマンティックが止まらない。

シーズンオフかつ平日なので人通りがほとんどなくてお店もあまり開いておらず、中世の街にうっかり迷い込んだ感がすごい。ここ、世界遺産なのですね。


僧院の回廊をうろついていたら小さな聖堂も発見。

タイムスリップ感を堪能したあとは、近くのLibourneという街へ。ヨーロッパでよく見かけるあの無理やりな路上の縦列駐車、みんなよくやるなあと思ってたけど、実際にあのキツキツのスペースに車を停める作業を隣で見ると、手馴れたものなのだなあと感心。長崎の坂道発進的な慣れかしら。
教会や河沿いをうろつき、寒いので撤収。そういえば、そこらへんのビストロに「ボジョレーヌーボー入りました!」(前日が解禁日だった)という看板があって、ボルドー近辺の人々は若いワインはさほど好きではないと思っていたので興味深かった。

ボルドー市内に戻るとメインストリートにさしかかり、町並みの美しさにうっとり。トラムが走ってるのも長崎っ子としては親近感。


家に戻ってPはディナーの準備。手伝おうか、と申し出てみるも、It’s gonna be a surprise!と言われたので堂々とぐうたらしながら待つ。メゾネットの2階部分にいるとやたらと焦げ臭いにおいがしてきたので不安になって下に行ったら、煙がもうもうとたちこめていた。すでにこれが十分サプライズだよ。まさかのトースト焦がし。1階でも2階でも火災報知器のアラームが鳴りまくっているのを慌てるでもなく悠然と止める、Pの安定の天然っぷりになごむ。

そんな騒動を経て饗されたフランス版・男の料理は、貴腐ワインとフォアグラからスタート。シャレオツ!茶色のちっこいパンのうえにフォアグラと玉ねぎのペースト、もしくはいちじくのジャムをのっけて食べ、あまーいワインと一緒にいただくと、幸せすぎて一口ごとに笑ってしまう。半焦げのトーストに乗せるのも美味。

続いてサーモンの焼いたのとかサラダなどを白ワインとともにお腹いっぱいいただき、デザートはガトーバスク。このペースでいくと滞在中に確実に太るパターン。
食後はまったり『ホビット』を鑑賞。LORのシリーズって全然みたことなかったんだけど、Pの「このシリーズで悪そうに見える人や怪物はだいたい本当に悪いやつ」というわかりやすい解説に納得。