フランス2016 Rendez-vous à Bordeaux: 3日目 ボルドー-バイヨンヌ-ビアリッツ

午前中はだらだらしてお昼前にのんびり出発。On y va! 訪問前に「11月のボルドーは寒いし雨ばっかりなので君はがっかりすると思う。晴れの日とかほとんど無いから」というheads upが何度もあったわりには、めっちゃ快晴のドライブ日和。
車中で流れるPのお気に入りソングが『ホテル・カリフォルニア』とかエリック・クラプトンとか、わたしのシンガポール大学時代に流行ってたLemon Treeとかいちいち渋い。Pは9歳年下なのに、これまでに精神面で年齢差をかんじたことが皆無な落ち着きを醸し出している。
アメリのテーマ曲もちゃんと入れてくれていた。ジャン・ピエール・ジュネミシェル・ゴンドリーは数少ない我々共通の好きな監督。そして「この歌、タランティーノの何かの映画で聴いたことある。あれなんだったっけ?」「ジャッキー・ブラウンだよ」と打てば響く感が楽しい。

土曜日なのに道路がものすごく空いていて、時間に余裕があるからバイヨンヌに寄ってみる?とのご提案。わーーい!今年の春〜夏くらいにどうしても行きたかった場所があり、そこに向かうにはバイヨンヌを経由するのが必須だったので、ずっと思いを馳せていた街なのです。スケジュールの都合で断念したものの、まさか数か月後に全然ちがう形でバイヨンヌに来ることになるなんて、想像もしていなかった!
初めてのバスク地方。このでんでん太鼓みたいな模様がバスク地方のマークらしいです。いたるところでみかけました。

バスクの旗の色である赤、白、緑も目につきます。バスク文化ってスペインのイメージが強いけれど、フランスにもこうして色濃く存在しているのだなあ。スペインのパンプローナ牛追い祭りと似たような祭りがここでも開催されるらしいです。

ランチはジャンボンド・バイヨンヌというバイヨンヌ名産の生ハムを使ったサラダ。これがめっぽう美味しかった!イベリコよりもあっさりしていていいかんじ!コーヒーについてくるsucreにもバスクのシンボルが。


こじんまりとしていて可愛らしい街並みや川沿いを散策。やっぱりヨーロッパも楽しいなあ。



バイヨンヌを後にして、ビアリッツへ。大西洋に向かっていくかんじにうきうきする!
到着したホテルのバルコニーからも海が見えてごきげん。一番ちかいビーチへ行ってみると、なかなかの強風。サーフィンのメッカらしいのだけど、超絶ワイルドな荒波への挑戦者はだれもいない。


ここのビーチだけで十分テンションがあがってはしゃいでいたら、街の中心地はずっと向こうだから!もっとおもしろいところがいっぱいあるから!と、アップダウンのはげしい海沿いの道を連行される。防波堤に打ち付ける波の勢いが半端ない。やがて聖母マリアの像が見えてきて、ビアリッツの観光案内でこの景色を見たことあったなー、と思いだす。ただ、こんな荒々しい風景ではなかったはず。



マリア像の先のでっぱり部分の人が入れるところまで波が来るっぽくて、波が近くまで来る瞬間を自撮りしたあと「たいしたことなかったね」とその場で話していたところ、背後でものすごいヤバい音がしたのでとっさに"Run!"とアクション映画さながらに叫んで逃げるも、ざっばーんとかぶったよね、波。彼が背後にいたおかげで私はスプラッシュマウンテン程度の濡れだったけれど、Pは頭も背中もびしょぬれ。あまりの惨劇に爆笑。かわいそうなのでふなっしータオルで拭いてさしあげた。

びしょ濡れの青年。

海沿いのどの道を歩いても波が強烈。ビアリッツの街並みはエレガントで、行ったことないけどモナコってこんなかんじかしら?と問うたら、たしかに似てるとのこと。
シーズンオフなので閑散とした雰囲気が哀愁があってそれはそれでけっこう好き。そこら辺のバスク料理屋でカラマリや鶏肉の煮たのんとか食べて、また歩いて最初のビーチまで戻る。

人気のない大西洋沿いの道をロメンティックにお散歩、のはずが、暗闇で激しい波音がごうごうと響いて恐ろしいうえに、ものっすごい強風が吹き荒れ呼吸をすることも前に進むこともままならず死を覚悟したエリアとか、防波堤を超えて波がやってくるエリアとか、とてもリゾート地とは思えないサバイバルな環境。ノォーーー!と叫びながら、大笑いしながら、髪ばっさばさになりながら、老夫婦のようによろよろと歩く。あまりにも面白すぎたので、次に夏に行ったら逆に平穏すぎて物足りないであろう気がする。