フランス2016 Rendez-vous à Bordeaux: 4日目 フランス&スペイン バスク地方めぐり

Il fait beau! 本日もお天気にめぐまれてラッキー。



ビアリッツを去る前にふたたびビーチを散歩。あいかわらず風が強く波が高いけれど、心地のいい空気。海の先に見えているのはスペインです。ビルバオあたりかな?


内陸部へと向かい、緑豊かな景色のなかをひた走る。目に優しい!

Saint-Pée-sur-Nivelleという村に到着。Pが小一時間ほど翌日の講義の準備をする必要があり、この村ならひとりでも楽しめると思うから遊んでおいでー、とひとり車外に放牧される。

教会の前を通ると聖歌が聞こえてきたので、日曜のミサに参加させていただこうかしら、と入口を探すものの、どのドアも開かない。フランス人のカップルがやってきたので一緒に入れる場所を探すもお手上げで、互いに苦笑いで退散。

バスク地方の家は赤もしくは緑の枠組みが特徴的で、温かみのある素敵な街並みを歩いていると、おとぎ話のなかにいるようなきもち。ただ、日曜だとけっこうお店がしまっていてさびしいよね。あと、急に曇って風が冷たくなってきたよね。


寒いのでお菓子屋さんに退避。このお店↓のカスタードのガトーバスクがめちゃくちゃ美味しかった!



1時間も経ってないけど、もうじゅうぶん堪能しました!とコーヒーとガトーバスクを差し入れに車に戻ると、「もう飽きてきた(授業大丈夫なのかな?)からちょうどよかった!」と歓迎ムード。わたしが車に戻った瞬間に、外には青空とぽかぽか陽気が戻るふしぎ。



続いてはAinhoaという村へ。バスク風の家がずらりと並ぶ、こじんまりした可愛らしい街。建物が完成した年号のプレートが壁に掲げられた家がいくつかあって、たしか1600年代とかそのあたりだった。メンテナンスがたいへんそうだけど、すてき!



La Lavoir(洗濯場)という、ああ、たしかにここでお洗濯してたんだろうな、という遺跡が名所的に残っていて、ナポレオン3世と奥方が立ち寄ったんですよ、という説明文があった。

村の中心にある教会のお墓が、いずれもたくさんの鉢植えのお花に囲まれていて美しくてちょっと感動。ちょうど最近、お墓参りのシーズンだったらしく、そのためにかようにきれいな光景になっていたらしいです。こじんまりとした教会の内部も素敵だった。




次に訪れたのは唐辛子が名産のEspeletteという村。あちらこちらに唐辛子がどどーーーんとぶらさがっていて壮観。





どの村もそうだけど、日曜日は家で家族や親族たちとゆっくりご飯を食べる習わしらしく、人通りが全然ない。2軒くらい空いていたお店でパテドバスクなどを購入したり、名産のお酒を試飲させてもらったりしたあとは、まったく誰にも会わず。完全なるゴーストタウン。
ウォーキングデッド好きの我々は、こういう場所こそウォーカーがいつどこから現れるかわからないと知っているので、しっかりと目配りを怠らない。ウォーカーがあらわれたら、ナイフで頭を確実に狙う!


名前忘れちゃったけど、バスク地方特有のスポーツのコート。なんかふしぎな形のバスケットでボールを打つとか、スカッシュに似てるとかそんなスポーツらしいです。ふむ。



赤や黄色に彩られた木々や緑の農場が広がるピレネー山中をいつまでもずっと走っていたいきもちでいると、「このままスペインまで行ってみる?」とナイス提案!わーい!
たしかここらへんが国境付近だったかな。



スペイン入国後、 会話はスペイン語しばり。互いに知ってる限りのスペイン語を駆使するも2分で終了。わたしはともかく、フランス人もっとがんばって!

Pが山の途中で車を停めると、そこには!なんと!!黄色いホタテのマークとやじるし!!!!OMG!!!!



これ、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへと向かう巡礼の道(カミーノ)のしるしなのです。この黄色いやじるしをたどって何十日間もひたすら歩くカミーノの旅を必ずや実現させると心に決めているので、初めて生で道しるべを見ることができてめちゃくちゃ感動してしまった!
同じピレネーを通るいちばんポピュラーな『フランス人の道』というルートとは違って、ここはもっと古い道みたい。



そこそこ標高の高い山中に、なぜかニャンコ先生。なかなかタフですね。

あと、遠くからずっと見えていたこの山の形が気に入っていて、よく見える場所がないか藪の中を分け入ってみるも視界はクリアにならず。このシャープさが好き。


わたしのカミーノ熱を知るPが、フランス人の道のスタート地点であるサン・ジャン・ピエ・ド・ポーまでちょっと行ってみる?と旅のあいだに何度も提案してくれていたものの、その場所だけは実際にカミーノに出発するときのお楽しみにとっておくからいいの!ってかたくなに言い続けてたんだけど、わたしのこういうところ結構めんどくさいよな(いま思い出して急に反省)。

ともあれ、スペイン国内をしばらく走ったあと、ほどよいところでフランスに折り返し、国境を越えたことに気づかないうちに看板がフランス語に戻ってた。

山からふたたび海へと向かうと雨がふりはじめ、Hendayeという街に到着。とりあえず軽くなにか食べたいね、と雨のなかお食事処を探すもあらゆるお店が閉まっていて、こちらも完全なるゴーストタウン。
駅があるっぽいから、駅をめざせばなにかしらあるかもね、と人の気配がまったく感じられないシュールな夢のなかにいるみたいな景色のなかを、線路をたよりに適当に歩く。


駅前のお店でようやく人の気配と食べ物を発見!やさぐれたかんじのカフェなんだけど、さすが、フランスで食べるものにまずいもの無し。生ハムを挟んだバゲットがめちゃくちゃおいしかった。

雨のなか、海をめざして歩く。前日のビアリッツとはまったく異なるおだやかな内海で、ゴージャスなクルーザーがびっしりと停泊していた。定年後の居住地として人気らしいです。



荒れた海、緑あざやかな高原、バスクの素朴な村々、ピレネーの山、スペイン入国、カミーノの一部、おだやかな港町、と数時間のあいだにものすごいふり幅の景色を楽しめて最高に楽しかった!!!大満足でボルドーへの帰路につきます。

この二日間ばかり乗りっぱなしのPの愛車は2シーターでスピードがぐんぐん体に響く感じなんだけど、がっつり乗り続けてもまったく疲れなかった。プジョーいいね!

日が沈んだあと、大西洋側で繰り広げられるマジックアワーがものすごくきれいだった!



家について、おりこうにお留守番していたマルセルにお気に入りのエサをさしだしたら、興奮のあまり手のひらまで一緒にかぶりつかれる事態。痛いけど、手のひらにかぷっとふたつの歯型がついたのが妙にかわいい。Pにフランス語でなにやら叱られたマルセルが、「すまんな」と神妙な面持ちで見つめてくるのがかわいかった。

殿方に週末まるまる長距離を運転させた挙句、ディナーの準備までしていただいている間にのんびりシャワーを浴びる。さっぱりしたところで冷え冷えのおいしいシャンパーニュが差し出される天国。Pができる子すぎてつらい!
フォアグラ、鴨のロースト、鴨の脂で炒めた絶品ポテト、サラダと美味しいワインで幸せディナー。

この日はフランス大統領選の予備選(たしかcenter-rightのなかで候補者を絞るとかそういうやつ)の日で、早めにボルドーに戻れたら投票に行く予定だったのだけど、間に合わず申し訳ない。
選挙速報チェックにおつきあいして、とりあえずサルコジが多くのフランス人に嫌われていることと、候補者の現ボルドー市長(元首相)がかなり有能なので、大統領になってほしい反面、ボルドーを去られるのは惜しいと人々に思われていることは把握(結局11/27の決戦投票で敗れたとのこと)。
あと、ホビット第二弾を見ながらずっとうつらうつらしていて「あ、カンババッチの声。。。ドラゴンでてきたのね。。。」とうっすら気配をかんじながらもほとんど話を憶えていない。