フランス2016 Rendez-vous à Bordeaux: 5日目 月の港ボルドー

Pの出勤に合わせて家を出て、彼の学部の最寄りのトラムステーションで降ろしてもらう。1日乗車券をゲットして、トラムの旅スタート!完全にノープラン!とりあえず、今のっているトラムの終点まで行ってみよう!
はじめの数駅は、大学のいろんな学部や施設が点在するかんじ。ボルドー大学にはワインの醸造学部もあって、大学オリジナルのワインがあるというのがさすが。

大きな教会とか、広場とか、何の情報もなく知らない街をぼんやり眺めて規模感を把握していくのがとてもわくわくする!車窓から、めっちゃ好きな感じの本屋さんを発見。

そういえばここ、車で通ったなー、と見覚えのある場所を過ぎ終点まで行って、また折り返し。ようやくまじまじと路線図をながめ、とりあえずTGVの駅まで行ってみることに。

サン・ジャン駅に着いて駅のなかをうろつきながら、ふとパキモンGOの存在を思い出す。フランスだと何が出るのかしら?と久々にアプリを起動すると、コラッタやら金魚やら、いたって普通!日比谷公園となにひとつ変わらない。

駅のインフォメーションでトラムとバスと船の路線図を入手し、もうちょっと具体的なプランを練る。とりあえずギャラリー・ラファイエットとか、お買い物ができるエリアに行きたいなー、と乗ったトラムが、さっき通った道を戻るだけなのに景色がぜんぜん違って見える。見慣れない景色っていちいち新鮮に感じるものなのだなあ、と感心していたら、まちがって反対方向に乗っていただけだった。
そんなこんなで放浪しているうちに、曇っていた空がぐんぐん晴れてきて、爽快な青空が現れてしあわせ!

ギャラリー・ラファイエットのウィンドウがかわいい。

店内は非常に小規模で、さらっと見て終わる。こちらのエリアはけっこう大きな商業地区みたいで、ユニクロからもおしゃれオーラが漂っていた。



ランチどうしよっかなー、と考えていると、以前にパリのマックで食べたポテトのマヨネーズが異常に美味しかったことを思いだし、マックに入ってみる。店内には超巨大なタッチパネルがいくつも並んでいて、パネル操作でオーダーを行い、できあがったら店員さんが番号を呼んで渡すシステムになっていた。ハイテク!なんと日本語も選べるすぐれもの。



が、しかし、メニューのページになるとフランス語表記オンリーになってしまいウケる。英語の画面でためしてみたら、やっぱりメニューのページはフランス語。翻訳が間に合っていないのならお手伝いしたいところ。こういう詰めの甘さがおおらかでいいですね。
メニューをつらつらながめるにつれ、ポテト&マヨネーズは食べたいけれどハンバーガーやナゲットはちょっと無理だと気づく。
9月にふなっしーハッピーセットが展開されていたとき、胃もたれ胃もたれを重ねながら連日ハッピーセットを食べ続けた余波がまだ残っているのでした。梨好きの仲間たちと「マックの入り口あたりの匂いだけでめげそうになるよね。。。でもがんばろう」とあの頃よくはげましあっていたものです。

ぷらぷら歩いていると雰囲気のよいカフェがあったので入店し、オムレツとワインをオーダー。ボリュームも味もちょうどいい塩梅。



エレン・デジェネレス似のかんじのいい店員さんと、自然にフランス語でコミュニケーションがとれてうれしくなる。フランス語をもっときれいに発音できるようになりたい。
Pとのやりとりは英語だけでこと足りるものの、会話のなかにフランス語の名詞をはさむときにきちんと発音しないと「ん?なに?」と聴き返されることがよくあり、カヨコ・アン・パタースンの英仏バージョン的な気合が必要。今までで一番つたわらなくて苦労したのは「ルルド(Lourdes)」。めっちゃ難易度たかいよ!フランス語もスペイン語もRの発音がわたしには鬼門。


ポケストップもそこはかとなくおしゃれなおフランス



ぷらぷらと探索を続ける。どこを見ても美しい。

ボルドー名物の、広場にうっすらとはられた水の鏡張りの景色。

ボルドーは街自体が世界遺産で、くねくねしたガロンヌ川沿いに作られた三日月形の街の成り立ちから「月の港ボルドー」という素敵な名称で呼ばれているそうです。チャオプラヤ川っぽい色だけど、水辺の景色は気持ちがいい。


一日乗車券で船にも乗られるようなので、さらっと乗船。船だいすき!デッキでびゅんびゅん風に吹かれながらボルドーの街を堪能。たしかに、さっきまで見えていた景色がすぐにカーブのかなたに消えて見えなくなるので、かなり蛇行が激しい川なのだと思う。


ボートの終点で”Merci!”と降りた2分後、”Hello again!”と船の係員にご挨拶して再度乗船。再度ぶいんぶいん風に吹かれながら川の旅を堪能。



陸地に戻ると、空と光の加減で鏡張りが絶好調!雨季のウユニ塩湖まではるばる行かなくてもいいかも。



広場にぽつんと座っているおじいさんと犬の姿が、やけに胸に染み入る。


トラムでサン・ジャン駅まで戻り、帰路につくバスの番号が表示された場所でぼーっと待っていたら、通りすがりのひとに「どこまで行くの?」と聞かれ「ここに行きたいのです」と最寄りのバス停の名前を見せたら、「乗り場が違うわ。あっちよ」と教えてくれて、ちょうどタイミングよくバスが来たところだった。たすかった!ありがとうございます!この世界には天使がいたるところにいますね。

バスに40分ほど揺られながら乗り降りする人たちや窓外の景色を見ていると、いろんな生活が垣間見えて楽しい。路上で懸命にジャグリングの練習をしている女子の姿が微笑ましかった。



無事に最寄りのバス停で降りて、家の近くの小さな愛らしい公園を散歩。日本でずっとバタバタしていて、今年は秋の気配にずっと気づかずにいたので、フランスでたっぷりとゆっくりと秋を感じることができてよかった。
Pがよく近所の公園を10kmくらい走っている、と言っていたので、この小学校の運動場みたいな広さの公園をいったい何十周しなきゃいけないんだろう、しかも木が多くてぶつかりそう、とぼんやり考える。あとから尋ねたら、そこじゃないよ、めちゃくちゃ狭いじゃん!とウケてた。もうちょっと大きい公園があるらしい。だよね。


翌日の帰国に備えてしょんぼりと荷造りをはじめたり、マルセルと遊んだりしているとPが帰宅。

食前酒を飲みながらのんびり。わたしはfloc de gascogneという、たしかアルマニャックの一種の、甘くておいしいやつをいただく。Pはアルザス産のビールにやはりアルザス産の柑橘類の皮のエキスらしい黒い謎のお酒を足したアルザス流のなにかを飲んでいた。ビールの苦味とシトラス系のさっぱりした苦味のハーモニーがおもしろい飲み物。
晩御飯は近くのシーフードレストランへGO!いろんな海老と様々な種類の貝を力の限り乗っけました!というでっかいプレートが出てきて圧巻。


牡蠣やオマール海老が美味しいのはもちろん、長崎で「ミナ」と呼ばれている、針できゅっと殻から取り出して食べる小さな貝が出てきたことにものすごくびっくりした!これ↓貝のでこぼこがちょっと異なるけど、中身の形状も味も、母が塩茹でするやつとまったく同じ。



東京の友だちに話しても伝わらない食べ物ナンバーワンなのに、まさかボルドーでミナに出会えるとは!マテ貝や生のはまぐりも美味で、甲殻類と貝と白ワインのカーニバルが最高すぎた。

デザートの天国感もなかなかのもの!そして日本に帰りたくない感も相当なもの!!