2018年1月 モントリオール 2日目: 絶叫 traîneau à chien

 
この話をすると9割の友だちが「あ、はい、もうけっこうです」ってげんなり顔になるんだけど書きます。
Iとわたしはいつからか、手元にあったミニカーに「小さいmarik」「小さいI」とお互いの名前をつけ、日々送りあう写真のどこかしらに写り込ませたり、香港やキューバなどそれぞれの旅先まで連れて行ったりするようになったのですが、この二台がようやくご対面。

ちいさいmarikはIが日本にいた時に買った救急車。ちっちゃいIは、何年か前に友だちからもらったトミカスターウォーズエディションのR2D2。偶然にも実際の我々の体格差とちょうど似てる(ザ・知らんがな)。

あと、日本語を話さないIがうろ覚えの日本語でたまに間違って挨拶したりするのが可愛くて、ふたりの間でだけ通じる言語がいくつか生まれた話もする?もういい?了解です。

お口なおしに、朝食にいただいたモントリオールで一番おいしいというパン・オ・ショコラの写真をどうぞ。このパン屋さん、お菓子もパンもいずれも美しくて本当においしそうだった!そしてパン・オ・ショコラのサクサク感ともっちり感といったら!お店の名前は忘れちゃったんだけど、Cote de Neigeのどこか(ざっくり)。

モントリオールは、フランス文化のエレガントさにのんびりまったりムードをまぶし、しかも基本はフランス語だけど、英語で返せばそのままほぼ誰とでも英語でコミュニケーションできる理想郷。
そしてありとあらゆる車がすっごい汚れているんだけど、冬場は雪と泥と道路に巻く塩のせいでどうしようもないらしい。Iの車も前日に洗車したばかりなのになかなか貫禄のある汚れっぷりを見せていた。そして雪の中の路駐が毎回大変そう。

気持ちの良い青空の下、市内をドライブ。この冬は特別寒いらしく、今年に入ってからマイナス30度近くなることもしばしばで、その報告を聞くたびに怯える反面、一度はそういう極寒の世界を経験したいと楽しみにして来たのですが、私は北国に行く時に限り(数年前にフィンランドに行った時も同じ現象が起きていた)意外と松岡修造の血が呼び起こされるらしく、この頃ちょうど東京は大雪、モントリオールは0度くらいのいつになく温かい気候となっていたのでした。

この橋(Jacques Cartier Bridge) 、写真で見て一目ぼれしていたので、通れて嬉しかった!エッフェル塔の橋バージョンみたいなエレガントなデザイン。

最終目的地は川の近くのJean Dreapeau公園で開催されているFete des Neiges(雪まつり)。雪の中で楽しめる遊びがあれこれと用意されていて、親子連れが多いかな。可愛いタグをもらって、目につくところにぶら下げておくシステム。

ところどころに前衛的な動物っぽい格好をしたスタッフがいて、子供たちに絡んだり、小芝居を繰り広げてたりするんだけど、造形がシルク・ド・ソレイユっぽい。あれもモントリオール発祥だし、何かこういう文化が共通してあるのかな。"ARRET"は「止まれ」のサイン。

通常よりは暖かいとはいえ、雪の中でいきなり遊ぶのは若干しんどいので、まずは奥の方にある、スノーボールみたいなドーム状の建物へ。1967年に開催されたモントリオール万博の時に作られたものらしいです。中は、電力の仕組みや公害問題などを遊びながら学習できるような展示になってた。

建物内から外を見るとこんな感じ。綺麗。

360度の画面の体感型シアターで、四季折々の季節や様々なハードな天候のイメージ映像の英語版上映(フランス語版と交互にやってた)を鑑賞。雪の場面では実際に雪っぽいものが天井から降ってきたりして楽しい。その場に立っているだけなのに、ふたりでものすごく色んな場所や時間を旅したような感覚になり、なかなかロメンティック。

再び雪の世界へと戻り、氷でできた海賊船や、雪の塊を使って像を作るワークショップや、高いやぐらから紐をつけてふわっと飛び降りるマイルドなバンジージャンプなど、ちびっこたちがキャッキャ楽しんでる様子をながめながら歩いているだけで楽しい。
ショコラショーを飲んであたたまったり、ビーバーのしっぽ、という名前のだらーんべろーんとした平べったい甘いものなどを食べながらフランス語のカントリーソングを歌う人たちをながめる。

Iが「実はサプライズがあるんだよ!絶対気にいると思う!なんちゃらchienを予約しておいたんだ」と言いはじめ、そのなんちゃらchienに相当する適切な英語が出てこない、と、「ほら、たくさんの犬が雪の中を走るアレだよー。で、僕たちも一緒に走るんだよ」という感じの説明。

時差ボケでぼんやりしてて頭の回転が鈍くなっていた(いつものこと)わたしの頭に浮かんだのは、大量のセントバーナードもしくはシェパード的な犬に雪の中でわらわら囲まれたり、追いかけ回されたりする図。え!それめっちゃ怖くない?!あらゆる犬に嫌われることで定評があり、チワワでさえも近くにいるとビクビクしてしまうというのに。
「え!!犬?犬がいっぱいいるの?こわくない?噛まれない?」と異常にビビりまくるわたしにIもじゃっかん不安げな表情に。lost in translation。「怖くないよー。ほら、雪の中を滑るやつ。犬がひっぱるんだよ」連想ゲーム状態で答えに到達!
trainneau à chien=犬ぞりかー!
絶対たのしいやつだー!yay!!!
うっきうきで犬ぞり乗り場へ。ソリの前後にふたりで乗り込み、いざ出発。

めっっっっちゃ楽しい!!すごいスピード感!風が気持ちいい!結構アップダウンがあるコースでなかなかの絶叫マシン感!途中ビデオで撮影してたんだけど、「お”お”お”お”ーーーー!」と野太い声で叫ぶ己の声が森にこだましてて笑った。
一頭、血気盛んな犬がいて、終点が近づいたところで他のソリチームの犬にけんかを売りはじめて微笑ましかった。
犬ぞりでがっつりテンション上がったまま、会場をさらにぐるっと周って引き上げ。
ひえっひえの体が欲しているのは鍋!もつ鍋たべたい!と願っているところにIが提案してきたのは中華料理屋。いいねー!
ワンタン麺をオーダーしたところ、えびとかじゃなくて鶏肉の雲呑だった。斬新。別途頼んだ水餃子が美味。一緒に出て来たカナダ特有の中華チリソースがさらにおいしかった。
眠くて疲れてくらくらしながらIの家に到着。いつも写真で見て憧れていた窓からの眺めがとても素敵で、ようやく実際に見ることができて感激。
今回いろいろ持っていったお土産の中で、わたしが一押しだったのが富士山のロックグラス。入れる飲み物によって富士山の色が変わるやつね。後日送られてきたビール入りの画像がこんなかんじ。これ海外のお土産にすごくよいと思います。あと、筆ペンが思いのほか受けてよかった。