スリー・ビルボード

たしかに、これはすごい!脚本と演出の妙。
窓辺でひっくり返ってる虫をそっと起こしてあげる仕草だけで、ああ、このひとがこれからどんなに色んなことをやらかしてもきっと嫌いになれないな、って思った。そして、見終わった後も、あの車は今ごろどこを走っているのかな、とふと思いをはせてしまう。
出てくるひと全てに対する、このひとはこのあと何を言い出すんだろう、何をするんだろう、という緊張と緩和、または予想外の展開に満ちていて、とにかくフレッシュな映画体験だった。
役者が全員すばらしかった。ウッディ・ハレルソンがこういう役を演じるのが新鮮だなあと思ったり。そしてピーター・ディンクレイジが、ゲーム・オブ・スローンズ初期のころのティリオンを彷彿させるユーモアと諦念と正しさを漂わせたキャラクターですごく良かった。