クレイジー・リッチ! Crazy Rich Asians

大好物!!原作もめちゃくちゃ面白くて大好きなんだけど、映画版はポップな部分がぎゅっと濃縮されていて楽しく、結末が爽快な感じに変換されていて、たいへんエンターティニング。
ロマンティックコメディの新たな名作が、ハリウッドでアジア人キャストのみで制作されて大ヒットだなんて、画期的すぎる!世の中のいろんなことが後退しているような気がする昨今、少しでも、何かしら、新しいドアが開いているように感じられる幸せ。
大学教授であるヒロインの専門分野が私のボーイフレンドのそれとまったく同じで、あー、知ってる!と冒頭から勝手にときめいてしまった。なるほど、そこでそういう風にセオリーを活用するのか!と、原作とは異なった展開に映画を誘導する手段の一つとなっていて感心。

セリフも楽しくテンポがよく、ゴージャス空間が眼福。シンガポール大学時代の友だちと一緒に観に行ったんだけど、あのように超絶きらびやかな世界があの小さな島のいったいどこにあったんだろうね。。。と遠い目になってしまった。オリバーとかペク・リンの弟に似た同級生が結構いたから懐かしいね、とか。

そしてAwkwafinaとケン・チョンが親子、という設定が最高にときめく!原作では、彼らはニック・ヤンやその一族の存在を知らず、知る人ぞ知る存在の強大な一族と、一代で富を築いた家族との圧倒的な差を読者に推しはからせてしまう、という切ない一面を担っているのだけど、映画ではとことんハッピーで愉快なファミリーで最高だった!お母さん役の人だけが本編の唯一のシングリッシュ・スピーカーなのがなごむ。
ミシェル・ヨー様の美しさと静かな凄みに震える。あと、バーナード役が『シリコン・バレー』のJian-Yangだったのがナイスキャスティング!!
音楽も素晴らしくて(♪まーどにー西陽がー)、Can't Help Falling in Loveが流れるシーンは、ソノヤ・ミズノちゃんの圧倒的な美しさとあいまって涙がほろほろ。
さらに、クライマックスで流れる曲、聞き覚えがあるメロディ。。。と思ったら、Coldplayの"Yellow"の北京語カバー。これか!監督がこの曲を映画に使いたいとColdplayに直訴したというやつ!もちろん、元の歌の意味と黄色人種との関連性はないけれど、「イエローと呼ばれるなら、その色を美しいものにしたい。この歌は我々のアンセウムなのです」みたいな手紙を監督が送ってクリスたちが速攻OKを出した、とかいうエピソードを思い出してさらに泣けてしまった。
ハリー・シャムJr.の登場を待ちわびていたら、え、そこだけ?でもエンディングでがっつり単独でクレジット出てるってどういうこと?というのがなかなかのサプライズ。