ナイト ミュージアム

marik2007-04-03

「今、あの人形が動いた!」って、誰もが一度は幼少のみぎりに博物館で考えることだと思うけど、そういう発想の世界が生き生きと映像化されいて、何度も椅子の上でピョンピョン跳ねたくなるくらいワクワクしました。人間の想像力って、本当にすばらしい。

さらに、爆笑の合間には、主人公と子どもの関係性や、博物館の住人たちのそれぞれの歴史的背景や属性が生かされた展開にジーンとしたり。夜になると、博物館の展示物が動きだすのだ〜!という子どもの想像力の延長戦にあるような話は、ともすれば子どもが主役の子ども目線で作られそうな話(この映画を観ながら、「ジュマンジ」を思い出したせいかも)だけど、それを、現実を器用に生き抜くことができない大人の起死回生の(って大げさか)物語として製作しているところが新鮮でした。そこにベン・スティラーの絶妙なリアクション芸と攻めの技が展開されるのだから怖いものナシ。

そしてなんといってもベンとオーウェン・ウィルソンがやりあうさまがとても楽しい。オーウェン、さりげなく大活躍。職業斡旋所の係員役の女性は、もしやSex and the Cityのスティーブのお母さん役の人じゃない?と気になって調べてみたら、あの女優さんはベン・スティラーの本当のお母さんだったんだ!びっくり!スティーブのお母さんはベンの実母だった!ベンの両親はエド・サリバン・ショーに出ていたコメディチームだったのだね。彼のあの洒脱なコメディセンスは血のなせるわざ&環境に培われたものであったのか。

あと、ミッキー・ルーニーが出ているのも嬉しい。「ティファニーで朝食を」のMr.ユニオシですね。相変わらず血気盛んな様子にほのぼの。ロビン・ウィリアムズも、やりすぎてなくて良いかんじ。やっぱりこの人にしか出せない味わいというものがあるよなあ、と思いました。

そして、あまり物語にはからまないのだけど、夜の博物館の中をうろうろする方々の中には、兵馬傭から来たらしき人や中国の獅子(もさもさした歩き方がかわいい)もまぎれていて、中華好きにはたまらない。

舞台になっている自然史博物館に、久々に行きたくなってしまった。あらゆる展示品を「夜になると彼らは・・・」と、ニヤニヤしながらまじまじと見たい。NYの学校に一瞬通っていたときに、社会科見学であの博物館を訪れ、「来館者に声をかけて、このミュージアムの感想を聞いてまわりなさい」という先生の指令とともに放牧されたことがあったのですが、意外とお客さんが少なくて苦労した思い出が。今だったら、映画の効果で来館者も多くてコメント集め放題であろうね。

TVでこの映画の予告が流れるたび、「ベン・スティラーの主演作が、日本でこんなに大々的に宣伝されるなんて・・・」と感慨深いものが。スティラー作品といえばおなじみの「ひっそりと上映がはじまり、ひっそりと終わってた」または「DVDスルー」という現象が、今後はやや緩和されるのでしょうか。また氷結果実のCMに出ればよいのにー。