圧倒的運動不足で挑戦する熊野古道 - 序章

先日熊野古道に行ってきてなかなか忘れ難い経験だったので、100万年ぶりのブログに書き残します。

昨年末に母が亡くなった喪失感と悲しみが抜けず、コロナ禍を経てカナダには入国できるようになったものの肝心の恋人がフルタイムで研究室とオフィスワークかけもちで労働の限界に挑戦し続けており忙しすぎて2020年1月以降いまだにカナダに会いに行かれずに苛立ち、心身がどうにもガタガタで気分転換にどこかに行きたい今すぐ、と思い立ったのがはじまり。
 
石垣島あたりのビーチリゾートでのんびり過ごすか、和歌山で山道を歩くかの二択に悩んだ挙句、ハードな方を選択。
いつの日かスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまでの800キロの道を歩くのが長年の夢なんだけど、同じスピリットを感じる熊野古道もいつか歩いてみたいと願い続けてたことを思い出し、いくなら今じゃない?と奮起。
 
熊野古道のいくつかのルートの中で、中辺路という38キロほどの道を三日ほどかけて歩き、さらに、ずっと行きたかったアドベンチャーワールドでパンダも見る!レジェンドパンダの永浜氏に会う!というご機嫌なプランに決定。
 
4月の頭ごろに旅を決め、航空券や宿の手配をババっと済ませた直後に突然右膝が痛みだし、長年の腰痛も相まって歩くのも辛い!痛散湯のCMに心が動く!というよれよれの状態に陥り、整形外科に赴きレントゲン撮ったりリハビリに通いはじめたりの大騒ぎ。そしてリハビリで「来月重い荷物を背負って山道を38キロくらい歩きたいんです」と無茶なリクエスト。とりあえず腰にコルセット、膝にサポーターで過ごす日々。
 
コロナ禍がはじまってからずっと家で仕事していて、一日の歩行距離がスマホで記録できないレベルの運動不足、唯一やっていたヨガも膝が痛いのではダウンドッグすらできない、とマジで何一つ山歩きに向けて準備できない状態で、「ほんとに歩けるんかいな」と思いながら、久しぶりのバックパックやトレッキングシューズ、ウェア、サポーターなどの購入に勤しみ、YouTubeであわててトレッキングポールの使い方や山道の歩き方を学習。
 
10年以上前に富士山五合目から7合目まで大人数で歩いた中だれよりも歩くのが遅かったので、一人で自分のペースで歩くことが何よりも大事。しかし、携帯の電波が届かないであろう山の中を一人で何時間も山道を歩くの大丈夫?と心配はつきない。
 
事前に有楽町の和歌山観光協会でマップやスタンプ帳(スペインのカミーノと共通のやつで、スペインにも同じもの持って行かれる)を入手し下調べすると、とても丁寧な説明のマップで「急な階段が続く」「狭い崖道なので注意」等の文言がよく出てくることにビビり散らかす。
 
こんなんで大丈夫?ほんとに?