転々

三浦友和オダギリジョー(二人とも髪型が変)が、井の頭公園から霞ヶ関まで散歩する話。シンプルなプロットの中に山盛りの小ネタがちりばめられ、切ないスパイスが鼻をつんとさせる傑作ロードムービー。東京の味わい深いさまざまな表情を持ついくつもの景色が見られるのが楽しい。阿佐ヶ谷とか出てくればいいのにー、と思っていたら出てきたので嬉しかった。
三木聡の頭の中には、常にいろんな物事に対するツッコミや疑問があふれかえっていて、それがあの魅惑の台詞の数々に変貌していっているのだろうなあ。大好きだ。三木聡の作品の岩松了ふせえりと、ジョニー・トー映画の林雪は同じ価値を持っていると思う。
もう、ほんと、見ていて楽しくて仕方がないのだけど、根底に流れているものはなかなかどうしていろいろと切なくて、ああ、この映画がいつまでも終わらなければいいのに、二人の散歩がこのままずーーっと続けばいいのに、と願わずにはいられなかった。

三浦友和の顔のパーツのバランスは、山崎邦正と同じだなあ、あと、もう一人、誰かにも似ている。誰だっけ。とずーっと考えながら見ていて、レオナルド・ディカプリオだ!とハタと気づきました。とくに、キング・オブ・ニューヨークのときのデカプリオに。ここ十数年私が言い続けている「山崎邦正=ディカプリオそっくり説」に新たな展開!山崎とデカプリオの間に三浦友和を置くと、すごくしっくりとくるグラデーションになるよ!
てれすこ」に続いて、男性二人の旅にからむ役で小泉今日子が出ていたのも興味深い。