北米・南米シリーズ2012 Day 15:フォス・ド・イグアス

朝食のあと、1ブロックほど先のイグアス国立公園いきのバスが出ているターミナルへ。ターミナルの端っこでまごまごしてたら係員に話しかけられ、「あっちのエントラーダ」という言葉をテレバシー受信。「はーい。あっちのエントラーダねー。オブリガーダ!」と元気にその場を離れたものの、エントラーダって何???と思いながらぐるりとターミナルの周りをまわって、なぜか道路を渡ってふつうのバス停に行ってみたり、その場にいるひとに「イグアスノタキ、バス、ドコ?」と聞いたら、「あっちだよ」とまたターミナルを指され、「あ、やっぱり?」とよく見たらNYの地下鉄みたいなゲートがあった。エントラーダ=エントランスか!こうして人は少しずつ学習していくのですね。
ゲートでお金を払ってターミナルの中(といっても建物ではないオープンエア。間違って反対側から入りそうになるわたしみたいな人は多くないのかな?)で待っているとすぐに路線バスが来て乗車。緑が広がるなかを二十分ほどでしょうかバスに揺られ、国立公園に到着。チケット買って中に入り、二階だてバスに乗車。森のなかをバスの二階席に座ってかけぬけるのがめちゃくちゃ気持ちがいい。
公園の奥のほうでバスを降りて遊歩道を散策。滝!横長に細い滝が何本もちょろちょろーっと流れているのを見るだけで興奮して写真撮りまくり。これがイグアスの滝なのですね!
鼻づらの長いアライグマといった趣の、ハナグマという生き物がうろちょろしていてかわいい。結構暴れん坊らしいのと餌をあげると生態系が狂うので放置が吉とのこと。
歩けば歩くほど次々と滝があらわれ壮観。遊歩道の先には一番の見どころ「悪魔の喉笛」があるらしいので、そちらを目指してとことこ歩く。この悪魔の喉笛という言葉、英語だとThe Devil's Throatですが、単純に「悪魔の喉」って訳しちゃいそうなところをあえて「喉笛」と訳出した人はすごい。Lake Districtを湖水地方と訳した人にも同じセンスの良さを感じる。こういう言葉のセンスや豊かな発想が心から欲しい!
ということをつらつらと考えながら歩いていると、轟音が聞こえてきていよいよご対面。この一番うえの写真の光景だけで興奮していたのだけど、悪魔の喉笛はもうちょっと奥。べっしゃべしゃに濡れながら歩いていくと虹が見えて感動。どどどどどどっと絶えることなく落ちてくる水の迫力に言葉をなくすというかもはや笑ってしまう。

ひとり旅だと自分が写っている写真が少な目になっちゃったりするのが常だけど、滝に興奮していろんなひとにあらゆる場所からいろんな角度で写真を撮ってもらって、イグアスは結構充実した自分映り込み写真が多い。皆こころよくシャッター押してくれるけど、特に楽しかったのは、アメリカ人のおばあちゃんに無理やりiPhone渡して「どこ押すの?どこ?」と散々聞かれながら写真撮ってもらったり、同じく一人で来ていたイギリス人のおじちゃんと「いくら撮っても撮り飽きないよね!!」ときゃいきゃい言いながらさんざん撮りあいっこしたり、お母さんと二人で旅行中のベネズエラ人の超キュートな男子としばしおしゃべりしながら撮影を続けたり。
十分に滝を堪能したのち、バスで出口へと戻り、再び路線バスに乗って街へと戻る。水に濡れたのと興奮しすぎで疲れたのか、バスのなかで爆睡。行きしにターミナルを出た次にホテルのそばのバス停で止まったので、帰りはそこで降りれば歩かずに済むね、と考えながら眠りに落ちて行ったのでした。

そして目覚めると、ちょうど見覚えのあるビルジング。おお!ちょうどホテル前だ!とあわててバスを降りる。いざ降りてみると、あれ?なんか違う景色。宿泊先だと思ったビルジング、全然知らないビルだった!
寝ぼけた頭でぼーっとあたりを見回すと、前日の散歩でこの街のランドマークとして目印に記憶していたビルが目に入って安心。さらに歩いていると、往路に通ったことを思い出せる通りにさしかかり、これで問題なくホテルまで帰れることを確信。ただ、ちょっと歩く。前日も通った商店街をえっさえっさと歩いたりしていると、やがてホテルからそう遠くないところに良さそうなシュラスコ屋を発見してロックオン。
一旦ホテルに戻ってぐたっとした後、張り切ってシュラスコ屋へ。こちらは牛の絵に提供する部位が示された紙をくれるので、どの肉かよりわかりやすい。ミスジとかザブトン的な部位まであって期待が膨らむ。ビュッフェにはサーモンのお寿司(超ミニサイズ)が並んでいて感激。寿司欲をかすかに満たすことができて良かった。カイピリーニャを飲みながらうきうき肉タイムに突入し、優しいおじさんたちが次々と肉を持ってきてくれた。しあわせ。

かつてナイアガラの滝を見たときもなかなか感動したものですが、ナイアガラは一極集中というか、大きな滝壺ドーン!って感じで完結していて、イグアスはもっと作りがで重層的で面白い。三大瀑布シリーズ、残すはヴィクトリアの滝。いつの日か行ってみましょうジンバブエ