トレーディング・アップ 1
この本面白かった。ぬおー、どうなるの?どうなるの?と思いながら一気読み。キャンディス・ブシュネルの作品は"Sex and the City"(あのドラマの原作ね。ドラマは大好きなのだけど)も"4 Blondes"もイマイチ乗り切れなかったのだけど、これはイラっとしながらもハマりました。"The Great Gatsby"の現代女性版みたいな印象。野心モリモリでニューヨークの社交の冷たい水の中を泳ぐ様が、切ない感じで。

主人公が33歳でビクトリアズ・シークレットのモデルとしてブレイク、という設定にワクワクしながら読み始めると、彼女のあまりにもemptyで薄っぺらいキャラクターにげんなり。全然共感できない。でもひたむきな暴走ぶりが徐々に面白くなってきて、最終的にはラストで「わあ、良かったねえ」と拍手したくなる、驚異の力技でした。やっぱりねえ、思い込み激しくブルドーザーみたいにぐいぐい押すくらいの方が、人間幸せなのだね。

ちょうど彼女の新作(Lipstick Jungle)が出たばかりみたいなので、速攻アマゾンに注文したほどに、自分の中でブシュネルさんと和解した。しかしほんとにこの手の本を読む度に、ニューヨークにはファッション雑誌のエディターとモデルとエンターティメント業界で働く以外の女性は存在していないのかしら、と思うよ。

モデルといえば、今日駅のホームで中年男性に「モデルの仕事に興味ありませんか?」と声をかけられたのだけど、どー見ても鉄道写真しか撮らないような、素朴な人だった。何だったんだろう、あれ?