イン・ハー・シューズ

そうか映画って人生を豊かにしてくれるものなんだなあ、と久しぶりに思った。宝物を見つけた気分。素晴らしい映画だった。登場人物のそれぞれの人生に欠けている部分が埋まって行く様子がなんとも温かくて幸せ。

去年ペルー一人旅の際に原作の小説をお供にしていたので、クスコの寒い部屋やプーノで高山病に苦しみながら読んでいたことをチラチラ思い出し、懐かしい気持ちになりました。小説だと妹のキャラクターにどうしても共感できなかったのだけど、キャメロン・ディアスがそれを演じると、途端に魅力的に。彼女の弱さや悲しさが、キャメ子の表情一つでグイグイ胸に迫ってきた。スタイルはもう、相変わらず完璧。若さやキュートさだけではもう乗り切れられないお年頃といった風の、肌の質感が妙にリアルだった。ほぼすっぴんに見える姉役のトニ・コレットも同じくリアルな感じ。

キャメロンが本当に嬉しそうにニッコリ笑う顔って、すごく良いよね。私も鏡の前で真似してみたけど、同じ生き物とは思えない。あと、シャーリー・マクレーンがもうほんとお婆ちゃんになっちゃってるんだけど、なんなら一番輝いてる、というくらい格好よかった。