ものすごく久しぶりに「ブリジット・ジョーンズの日記」を見たら、冒頭のシーンの「元日に二日酔いで実家に帰る32歳」という状況がそのまんま半月前の自分だったのでウケた。新年の抱負も被っていたし。長崎にマーク・ダーシーはいなかったが。そしてオールバイマイセルフを一人熱唱しているシーンに爆笑しながら泣きそうになったよ。今まさにブリジットの季節に差し掛かったのであるなあ。この映画を最初に見た時(20代)、アハー、こんな30代いたら楽しいネー、私もこんなになっちゃってたりしてー、と余裕で思ったあの頃の未来が今よ!そんな微妙な感傷があってもなくても、あの映画は本当に隅から隅まで素晴らしい。

クワイエットルームにようこそクワイエットルームにようこそが良かった。去年文學界に掲載された時に冒頭のページだけ読んで、あ・無理、と読むのを断念したんだけど、今回単行本で改めて覚悟して読んでみたら最初のエグい場面のハードルは軽々越えられるくらい面白かった。のっぴきならない状況でヨレヨレになりながら、それでも凛と立とうとする人間を描くのがとても上手いと思う。
私は松尾スズキの物の書き方というのがとっても好きなのだけど、芥川賞の選考委員で今回彼の文章を初めて読む人もいるのかな?そういう人の反応が楽しみ。