冬の欧州ひとり旅 十三日目 ベルギー→オランダ

朝食後にチェックアウトし、ブリュッセル南駅へ。このときに乗ったタクシーで、インド旅行以来のものすごいボラれかたをしたことに後で気づいた。朝なのでぼんやりしていたのが敗因かしら。乗り込んだときからなんとなく胡散臭げだったので、日本人?と聞かれたときに、台湾人ですと偽って予防線を張ったのが無駄な小細工に終わってしまったことが悔しい。

気を取り直してオランダ、オランダ。列車が走れば走るほど雨足が強まっていき、アムステルダムもざんざか雨。でもなぜか、駅に降り立った瞬間から、この街とは気が合いそうだという根拠のない予感。ペラペラの傘を差してスーツケースを引きずり、ホテルへ徒歩移動。ブリュッセルのホテルほどの広さは無いけれど、スタッフが皆とても感じがよくて、ダム広場のすぐそばで、部屋も清潔快適でした。以前シンガポールで泊まったNovotelがすごく良かった(あの建物はもともとウェスティンだったから、もとからハードが充実していたというのもあるかもしれないけれど)ので、アムステルダムの宿を探しているときにノボテルに即決したのは正解だった。

ベルギー以来すっかり身についた引きこもりモードが抜けず、止まない雨に街に出る気力が沸かない。市電が通る大通りが目の前なので、部屋の窓から通り過ぎる人や向かいのデパートの中を眺めているだけでも飽きない。

夕方に雨が上がり、ようやくお出かけ。ホテル近くのエリアはいわゆるレッドライト地区が近かったりして、夜の一人歩きをするにはあまり治安のいいところじゃないようなことがガイドブックに書いてあり、気を引き締めつつ闊歩。そんな緊張感も相まってか、今までずっと旅してきた中で一番ワクワクする街歩きだった。それまで感じていた、ヨーロッパとはなんとなく、すごく気が合うという感じではないよなあ、というモヤモヤ感が晴れるような。雑然としていて、どこか怪しい混沌とした空気がピタリと肌に合うような気がして、ただ歩いているだけでものすごくアムステルダムを好きになった。アジアの街角を歩いているときの高揚感にも似て。

中華(またしても)をテイクアウトして、部屋でハイネケン飲みながら夕食。MTVで"100 Greatest Teen Stars"という、あの子役スターは今、という特集をしていて釘付け。中学・高校生のころにロードショーで毎月見ていた顔ぶれが続々と出てくるのよ。アリッサ・ミラノとか、Wコリー(フェルドマンとハイムね)とか。コリー・ハイムやカーク・キャメロンの現在の変貌ぶり(肥えっぷり)が衝撃だった。でも、おおむね、かっこよかった男子は今でもかっこいい中年だったり、綺麗だった子は今でも美人で、それなりに生活も順調っぽい。ビバヒルのドナちゃんはいつの時代に見ても微妙だと思った。あと、ジョン・ヒューズの映画に出てくる人たちがいっぱいで懐かしかった。彼の映画、どれも大好きだったので感涙。1位はやっぱりモリー・リングウォルド。彼女の現在の様子が出なかったのが残念。