満城尽帯黄金甲 (VCD鑑賞）

史上最悪の夫婦喧嘩ムービー。そのスケールとはた迷惑なことといったら、「Mr&Mrsスミス」の比ではない。とはいえチャン・イーモウがきらびやかな映像美で丹念に描くそれは、映画としては非常に見ごたえがありました。王様（ユンファ）と皇后（コン・リー）のチクチクとした反目っぷりに息がつまりそうになりながらも、いろいろとつっこみどころ満載。懸念していた「ＰＲＯＭＩＳＥ」臭はそれほど強くなかったので安心（なような、ちょっぴり残念なような）。余韻のあるラストにかぶせて「菊花台」が流れるのがとても心に響きました。大掛かりで美しいこの作品の名が、ジェイ・チョウさんの映画のキャリアの１ページに記されたということがうれしい。

注目のジェイ王子は、前半での宮廷の中で小奇麗な格好で慎ましくふるまう様子やこぐまのような風貌にキュンキュン。後半の鬼気迫る雰囲気をがんばってかもしだしているさまにもキュンキュン。いかにジェイの見せ場を作るか、ということにイーモウ監督は心を配ってくれたのであろうなあと、感謝したい気持ちでいっぱいになりました。ジェイらしからぬ明瞭な発音の北京語が、時おりまったく別人の声になるのが面白かった。

秋には日本でも公開になるようなので、豪華絢爛な宮廷内部の美術や、ジェイたんの微妙な表情の変化を大画面で見られる日を楽しみに待ちます。あと、コン・リー姐さんが撮影中に着用していた下着（よせてあげる方面で）が何なのか知りたい。ぜひ入手したい。