傷だらけの男たち(傷城)

トニーvs金城武、濡れた子犬の瞳対決映画!と思ったら、トニーさん怖かった。魅惑の瞳を封印していた。
なんというか、古畑任三郎から笑いの要素を取り去った方式のような映画だった。言わんとしていることは「無間道」に通じるような気がしなくもなく。今回のトニーの悪さと、無間道でのアンディの悪さにどこか似通ったものを感じたせいなかしらん。とにかくよく考えて練って作った話だという空気はビシビシ伝わってきました。映画に出てくる香港の景色だけで、ご飯3杯は食べられるかんじだった。あの家からの景色がうらやましい。ピークの近くなのかな?
この物語に出てくる、あるヴァイオレンスな部分が「古惑仔」シリーズを彷彿させて、あのころは「やる」側を描いていたアンドリュー・ラウが「やられた」側の物語を作るようになったのだと、月日の流れを感じました。カネピロさんとチー坊(スー・チー)の広東語がすごく聞き取りやすく思えたのは、やっぱりネイティブではない者(というか私はほとんど話せないけど)特有の感じ方なのかな。チー坊かわいかった。モヤーっと重い映画の中に咲く、一輪のひまわりのよう。そして、認めるのはなぜかいつも悔しいけれど、チャッピーもかわいかった。肌つるつる。