プラネット・テラーinグラインドハウス

ロバート・ロドリゲスの新作?観る観る!片足がマシンガンの女の人が出てるやつ、おもしろそーよねー!と、事前に何の情報も得ずにウキウキ映画館に行ったわたし。映画が始まる前、ゾンビが出てくる映画の予告編がなぜかやたらと流れるので、わー、ゾンビこわい!きらい!『香港ゾンビ』以外のゾンビ映画を観ることはもはや一生なかろう、と考えておりました。

いざ本編が始まり物語が進むにつれ、あれ?あれれれれ?なんだかイヤな音がするよ・・・今、気持ちの悪いものが見えたヨ・・・ま、まさか・・・ヒィ!出た!ヒィ〜!また出た!ってかいっぱい出てくるYO!そういう映画なのかーー!!!ヒィィィィ〜!すっかりパニック状態に陥り、頭の中ではクランベリーズの♪ぞーんびぃ、ぞーんびぃ、ぞーんびぃっぃっぃっぃっ、という歌声がぐるぐると流れ続け、目をつぶって耳をふさいだり、指のすきまからスクリーンの断片だけ見たりしながら、椅子の上でもぞもぞ悶絶。やー、ほんと、もうダメかと思った。あわや人生二度目の映画館途中退場(一度目はマイコーの『ムーンウォーカー』。なんというか、斬新すぎた。バブルスが出ていたことしか思い出せないけれど)になるかと思った。

が、しかし、映画はものすごく面白かったのです。内容はあってなきがごとしだけど、確信犯のチープさとご都合主義が、もう、すごーーくツボに入ってしまい、ゲラゲラ笑っているうちにやがて意外とゾンビ慣れしてしまった。人間って、慣れの生き物だなあ。途中の、いかにも場末の映画館で観ている感をかもしだす演出も笑った。ほんとどうでもいいのですが、安岡力也似の科学者が切り取って集めていたブツこそが、あの病気を治療する原材料なのではないか、と見終わったあとに友人と話し合っていたのだけど、どうなのかしら。ああ、いろいろと思い出すだけでも、きもちが悪い・・・でも可笑しい・・・。

ちょろっと出てくる豊満なお姉さんがファーギーであることにずっと気づかなくて、なかなか強烈な場面で「ぎえええええ!あ!ファーギーやん!」と目をそらす一瞬前に突然気づいて二度見してしまった。いやん。出てくる女子がみな、中学生男子の妄想を具現したかのごとく過剰に色っぽいのがとてもよかった。見習いたい。

あと、本編の前に流れる架空の映画「マチェーテ」のベタベタな予告編も面白かった。予告編だけで完全に映画1本観た気分になれる。ジェイ・チョウさんの「雙刀」のMVでおなじみのダニー・トレホ主演。ザ・悪い顔。