第13次去香港 Day 1

朝5時起きでチェックアウト。トゥクトゥクで空港へと向かう途中、托鉢中のお坊さんの列と何度かすれ違ったり、早朝の冷えた空気の中、徐々に遠ざかるルアンバパンの町を見ていたら、なんだかウルっときた。こんなに安らぎにみちた美しい町が地球のどこかにあるということを知ることができて、本当によかった。この町が世界遺産でよかった。いつまでも変わらないでいてほしいというのは旅行者のエゴかもしれないけれど、あの独特のやわらかでおだやかな空気がいつまでも漂う町であってほしいと思わずにはいられない。次回は老後に夫と二人でのんびり来たい場所だわ、と考えながらそこに至るまでの果てしなさに思いをよせているうちに空港到着。

チェックインの際、カウンターの後ろの荷物用ベルトコンベアの上に寝転がって爆睡している係員がいて可笑しかった。自由だなあ。サクサクっと出国手続きを済ませ、コーヒーを切望しながら待合エリアへ。Oh,何もない!免税店らしき店は閉まっていて、その他ドリンク類などは一切売っていない、ただただがらんとした待合室が広がっていた。搭乗時間まで1時間半。水は空港入り口の荷物検査のときに放棄してしまったし、水分摂取大王(オレ)はパニック寸前。落ち着こう、落ち着こう、と言い聞かせながら黙々と本を読み続けていたら、思いのほか早く機内への案内がはじまった。

小さい飛行機が一台だけ停まっている駐機地(っていうのかな?)を、エイサエイサと歩いて飛行機まで。ブリッジを通らずに地面から小さい飛行機に乗り込むときって、いつもなぜか映画の「ボディガード」を思い出す。ホイットニー気取りでタラップを上がり、出発待ち。8時発のフライトだったのだけど、乗客が早々に集まったのか7時半には離陸。ラオス航空ってばフレキシブルで素晴らしい。機内誌の表紙は、私の憧れの40代女性第一位であるところのマギー・チャンだった。2時間弱のフライトながら軽食もサーブされ、やっとコーヒーが飲める!とスチュワードにお願いしたら、おもむろにインスタントコーヒーのスティックをカップにいれ、お湯で溶いて渡してくれた。なかなか合理的。

上空から見えるバンコクの町が、もう、えらい都会に見えて、なんだかすでにラオスにホームシックのようなものを感じてしまった。予定時間よりはるかに早くバンコクに到着。香港行きへのフライトまであと9時間くらいあるし、タクシーで街中まで行ってカオマンガイとか汁ビーフンとかレッドルビーとか食べようかしら、久々にワットアルンでも見に行こうかしらなどと考えるも、バンコクの都会っぷりを思うと若干怖気づき、不意に香港が恋しくなり(都会の極みだが)、キャセイのカウンターでフライト変更可能かどうか聞いてみると500HKドルで変更できるとのことなので、一番早い便でヨロシク!とお願い。1時間後に出るフライトにギリギリでチェックインし、はてしなく広がる空港内をひたすら早歩きして、あっと言う間に香港行きの機上の人に。 この二ヶ月でバンコクを3回出入りしたけど、合計滞在時間は5時間くらいかな。

飛行機の中でSouth China Morning Postを読んでいたら日本のあるニュースが載っていて、知り合いの写真が大きく載っていて驚く。3時間ちょいでホンコン到着。やあやあ、ただいま。今回は久しぶりにバスで九龍まで行くことに。8年前はじめて香港に来たとき、青馬大橋を渡った瞬間に香港と恋に落ちたことを思い出し、わくわくしながらバス乗車。車窓からの青馬大橋の景色に、相変わらずときめく!なんだろう。どうしてこんなに好きなのだろう。内心キャアキャアはしゃぎながら、1時間ほどでネイザンロードへ。まあ、やっぱり、エアポートエクスプレスのほうがスピーディではあるよね。TSTで降り、まずは両替のため重慶マンションへ。バックパックを背負ってあのビルに入るのって昔から憧れだったので、少しだけ叶ってうれしい。しかし宿の客引きがわらわらと寄ってくるので面倒。両替後、ペニンシュラ別館(これいつも書いてる気がする)ことYMCAへ向かい、チェックイン。もちろんハーバービューの部屋へ。いやっほう!!窓から、文化中心の壁面に貼られた袪瑞文のショーのデカいポスター(withアーロンの素敵コンサート衣装のパロディっぽい写真)が見えて脱力。

着替えて宿を飛び出し、許留山でマンゴージュースを買い、スターフェリーへ。上記のとおり、いまさらトークンの自動販売機が設置されていた。なぜかしらん?静かなラオスから移動してくると、香港の喧騒やスターフェリーのつかのまの静けさ、ぎゅうぎゅうに立ち並ぶビルジングといった見慣れた光景が、ことさら味わい深い異国情緒に満ちて感じられた。どっちも好きだー。 中環、SOHOあたりで写真を撮りまくり、九記で牛すじ麺。んまい!ところで今回は広東語を話すことを一切放棄して、ひたすら英語で通すことにしたら、その後もずっとどこへ行ってもお店のひとが優しかったのが意外な発見。

もわんとした熱気に毛穴という毛穴から香港を感じながら歩き、壇島でエッグタルト買い食い、ジューススタンドでスイカジュース。定番コースとなったクイーンズロードの魔窟ことH&Mへ。あああ楽しい。洋服いっぱい着た!髪を切ってみると、以前よりもモードな洋服が似合うようになったと思っていたのだけど、やはり限界があった。とても素敵なゴールドのふわっとしたドレスを着た鏡の中の自分に失笑。無難なかんじの洋服を何点か購入して店を出るころには1時間以上が過ぎていた。現時点でのH&Mのいいところは、超安くてポピュラーなのに、日本では他の人とかぶる確立がきわめて低いところだけど、日本にも上陸するというのは本当なのかな?

九龍サイドに戻ろうとフェリーに乗ると、ちょうど8時のショーの終わりごろだった。なんとなーく微妙に地味になったような気がしなくもない。非エコだから?プロムナードをうろうろしてホテルに戻り早々に就寝。