地球でいちばん幸せな場所 Owl and the Sparrow

両親を亡くし工場で働く１０歳のトゥイは、工場主であるイケズな叔父の元から逃れホー・チー・ミンへ。生活のために路上で花を売りはじめた彼女が出会ったのは、フライトアテンダントのランと、動物園の飼育員のハイ。トゥイに何かと親切にする二人にたいして彼女がしかけた出会いをきっかけに、孤独をかかえた二人は心を通わせるようになり・・・という話。
人物造形や物語の流れに新人監督らしい拙さを感じたりもしたのだけれど、トゥイ役の女の子がとにかくすばらしい。厳しい境遇でも揺らがない凛とした強い目線にほれぼれする。そして、路上で働く術を彼女に教える、同じように労働する子どもたちのさりげない人情が非常にクールでしびれた。急成長する国の光と影が寓話チックな物語で映し出され、トゥイのような境遇の子どもたちの現実について考えさせられつつも、希望のにおいを感じさせる。