17歳の肖像

成績優秀な女子高生が謎めいた年上の男性と出会い人生が一変し・・・って、ちょっとケータイ小説っぽい筋書きなんだけど、ニック・ホーンビィの洒脱な脚本と、きめ細やかな演出による、とても上等なほろ苦くみずみずしい魅力的な作品だった。"An Education"とうシンプルな原題は、「結局、教育に何の意味があるわけ?」という主人公がある時点で抱く疑問とリンクし、さらに人生における大きな体験、勉強という意味でもリンクする、ものすごくしっくりくる題名だなあ、と観おわったあとにしみじみ思った。
主人公の女の子がとにかくチャーミング。とても利発で感性が豊かで、おフランスに憧れていてフランス語を多用したりするところや、初対面の女性のふかふかのファーのケープに思わず手をふれちゃって「あっ」ってなる一瞬の子どもっぽさが、ものすごく可愛らしかった。舞台が60年代のロンドンということで、クラシカルなお洋服もとても素敵。
自分はつまらない大人にはなりたくない、という主人公の思いあがりが、昔おなじように思いあがっていた自分を思い出してものすごく懐かしい気持ちになってしまった。十代あるある。