欧州・中東・亜細亜めぐり Day8 ペトラ-アンマン-ロンドン

朝ごはん食べながらウェイターさんとふたたびアラビア語レッスン。前日ならった言葉すらほとんど忘れていた。チェックアウトの時間まで部屋でごろごろしながら本読んだり、アイス食べに行ったり。モーベンピックのアイスを日本で見かけなくなって久しい気がする。
昼すぎに空港行きの車がお迎えに来て、アンマンの空港まで3時間、ふたたびデザートハイウェイをかけぬけるの巻。今回はけっこうおとなしめなドライバーだったけど、たまに、「ほら、ラクダいるよ」とか砂漠のはるか向こうにラクダが歩いているのを教えてくれたり、「こういうの好き?」とアラビアン音楽をガンガンかけたり、お茶をごちそうしてくれたりして、「またヨルダン来てね。どこでも案内するヨ」と名刺をくれてお別れ。

空港に到着すると、なんと、飛行機の出発時間を2時間ほど勘違いしていたことが発覚!でも!でも!早めの出発時間だと思い込んでいたので超セーフ超セーフ!!Easyjetのアンマン-ロンドン便は毎日出ているわけではないので、これを逃したら相当大変なことになっていた。。。ああ怖い。出発時間のきっかり2時間前までは、セキュリティ通ってチェックインの手続きすらできないといわれ、空港の玄関をはいってすぐのロビーで2時間ほど待つしかない状態に。

ロビーの窓側の椅子で本を読んでいると、窓の向こうで子どもたちが行ったり来たりしてこっちを見ている気配がして、目が合うと笑いかけていたら、やがて建物のなかに入ってきて、わたしの前をちょこちょこ歩きはじめたので、にっこり笑いかけると、9歳くらいの可愛らしい女の子がとととっと近づいてきて「どこから来たの?」「日本だよー」などと会話開始。ほかの子どもたちも寄ってきて、最終的に8、9人くらいの幼児〜小学生たちに囲まれ、あれこれアラビア語で話しかけられたのだけど、最初に近づいてきた子が一番英語が得意らしく彼女が代表してインタビュー。「おとうさんとおかあさんはどこ?」「学校は行かなくていいの?」と、はるばるヨルダンに来ても相変わらず子どもに同世代扱いされるわたし。「なんさい?」と聞かれ「あなたのおかあさんより絶対にずっと年上だよ」と言うとキョトンとされた。

日本人の名前の響きがおもしろいみたいで、両親の名前はもちろん「おじいちゃんの名前は?おばあちゃんの名前は?」と聞かれ、まさか中東にてわたしが生まれる前に亡くなった祖父の名前を口にする日が来るとは、と不思議な思い。「おばさんの名前は? おじさんの名前は?」「おじさんはたくさんいるから全部のなまえをいうのは大変だなあ」などと話しつつ、彼らの名前もひとりひとり教えてもらったんだけど、発音がめちゃくちゃ難しい!何度も発音を矯正され、うまく言えると"good!"とお褒めにあずかった。それにしても皆ちいさいのにすでに大人っぽく顔が整っていて美しくてうらやましい。

縦書きの日本語の本をがやはりめずらしいようでしげしげとわたしの本を見つめ、「読んでみてー!」とリクエスト。村上春樹の昔の本を再読キャンペーン中なので旅に帯同していたんだけど、ヨルダンの子どもたちの前でも朗読されるなんて、さすが世界のムラカミ、持ってるね。『ダンスダンスダンス』の一節を空港のロビーで読み上げながら、「わたし、何やってるんだろう」とちょっと面白かった。

やがて子どもたちの親や親戚のお兄ちゃんとかも集まってきて、すっかり東洋人を囲む会に。子どもたちのなかの一人の、4,5歳くらいの女の子の家族がイギリスに引っ越すことになり、皆でアンマンから2時間ほど離れた街から見送りに来たとのこと。親戚のお兄ちゃんは警官らしく、「あのお兄ちゃんハンサム?好き?結婚する?」とまさかの婚活のお世話までしてくれたしっかりものの子どもたち。

チェックイン可能な時間になり、みんなとバイバイ。セキュリティを超えてもゲートのすきまからずっとわたしの名前を叫んで見送ってくれた。1時間ほどしか一緒にいなかったのに、ウルルン滞在記なみの素敵なお見送りでほっこりヨルダン旅が終了。たまに空港に早くいくと、こういう楽しいこともあるのね。

またEasyjetか・・・とやや憂鬱になりながらKFCでごはん食べてると、近くのベンチにいたパイロット姿のおじさんが電話でイギリス英語で超イライラしながら話してた。まさか、このひとが機長・・・?どうか、その怒りをフライトに持ち込まないで・・・。

やはり殺伐としたEasyjetの優先搭乗に並ぶ際、さっきロビーで一緒にいた小さい女の子と目が合って、"Hi!"と言ったら、ちょっとさびしそうに笑って、若いけどどうも体調がが悪そうで車いすに乗ったお父さんらしきひとや家族たちと飛行機に乗り込んでいった。あの子のイギリスでの生活が、どうか楽しくて幸せな日々になりますように。

機内アナウンスのおばさまが、「当機はイギリスまで4時間の飛行を予定しております。もー、1時間だったらいいのにねー」と言っていてウケた。途中、なんどもマジで1時間でついてほしい!とイーっとなるほどなんか快適ではないフライトでガトウィックに深夜すぎに到着。荷物が出てくるのが遅くて公共の乗り物はすべて終了し、ロンドンからアンマンへの片道切符くらいの金額でタクシー乗車。運転手さんとおしゃべりしながら深夜の人気のないロンドンを走るのは楽しかった。
ハイドパークのそばのヒルトンにチェックイン。事前に、「到着が深夜をまわるけど必ず行くから部屋はちゃんととっておいてね」「OK了解!」というやりとりをホテル側と行っていたのに、思い切りキャンセルされていた!ものっすごい時間をかけてやっと用意してもらったのは、狭い狭い部屋にエキストラベッドとおぼしき狭い狭いベッドがおかれた小公女セーラっぽい客室だった。風呂に入りながら何度も失神しそうになった、長い、長い一日。