タイの島めぐり&香港 二日目:バンコクーサムイ島ータオ島

marik2012-10-15


チャオプラヤ川を渡る風を感じながら朝ごはん!とウキウキしながらレストランに降りていったら、雨が降ってるから外の席は座れませんよー、と言われ、窓際の席で我慢。そういえば明け方の雷すごかった。さくっと食べて空港に急がねばならないのにビュッフェ料理をついつい欲張っていただき、かなりギリギリのチェックアウト。チケットを見たら、出発時間の40分前にカウンターをクローズするからね、と書いてあることに気づいて焦りがつのる。

どうにか出発時間の50分前くらいに空港到着。セーフ!とバンコク・エアウェイズのカウンターに走ったところ長蛇の列。じりじりとしながら待つも徐々に時間切れになりそうな気配で焦り、近くを通った係員に日本のパスポートを見せながら外国人アピール(こういうのあまり好きじゃないけど、背に腹は変えられず)しつつeチケットを見せて、「あと40分で飛行機でるんだけど、わたし間に合いますかねえ?」と聞いたら「えーっと、たぶん大丈夫ですよ」と言うのでさらにジリジリと待っていたら、空いたカウンターのお嬢さんが近づいてきて「どうかしましたか?」と聞いてくれて「あと30分で飛行機が出ちゃう〜」と泣きついたら速攻処理してくれた。ありがとうございます!

広い広いバンコクの空港を猛ダッシュして、ようやくたどり着いた搭乗口には"last call"の表示で閑散としていて「ごーめーんーなーさーい」と駆け込むと、「整備が遅れてて、まだ搭乗はじまってないですよ〜」と。よく見たら乗客はみなのんびり座っていた。セーーフ!
バンコク・エアウェイズに乗るのって、10年くらい前にアンコールワットに行ったとき以来。一番前の席に座ったので、正面の隠し扉みたいなのが開いたときにガン見したら、スーツケースが置いてある倉庫的な空間が広がっていた。すぐ操縦席じゃないのね。
軽食をいただきつつ1時間ほどでサムイ島に到着。飛行機からおりて空港の建物までいくのにシンガポールのナイトサファリのトラムみたいなのに乗るのが楽しかった。

ビーチリゾートには一人でいかないのがポリシーだったけれど、ちょっと長期でのんびりしたくて、本とか勉強道具とか持ち込めば平気よねー、と気軽にやってきたのですが、まず、荷物を待っている時点で周りが99%カップルであることに気づいて背筋に冷たいものがひとすじ。機内アナウンスでアシアナとのコードシェア便と言っていたのも納得な、韓国人の新婚さん風がいっぱい。

タオ島いきのフェリー乗り場まで車で10分ほどと聞いたので、タクシーを頼もうとしたら400バーツと言われてびっくり。バンコクでそこそこの長距離でもなかなかない金額だけど、なんとなく戦意喪失していてうっかり"There's no chice, right?"と言ってしまい、言い値で5分くらいのドライブでフェリー乗り場到着。
フェリーに乗るのに急な階段があったり、停泊している船を一艘のりこえてその隣の船に乗り込む等の難関があり、重いスーツケースだと地獄を見ます。乗客はほとんどバックパックですいすい動いていて、マキシ丈ワンピースにRimowaのでかいスーツケースをひっぱってのろのろしているのは私だけだった。要所要所でスタッフがちゃんと助けてくれて本当によかった。サムイ島を出て30分くらいで一度パンガン島に寄るんだけど、思っていた以上に大きな島だった。一度フルムーンパーティに行ってみたい。
2時間ほどでタオ島に到着。がたがたの桟橋をまた死にそうになりながらスーツケースを運び、数日前にメールでピックアップをお願いして「OK、むかえに行くね〜」と連絡がきていたホテルからの迎えを探す。各所からのお迎えと乗客ががやがやと待ち合わせしては去っていくなか、最終的にひとり桟橋に残されたわたし・・・。幼稚園のバスからおりたらうちのママだけ来てなかった状態に。
客引きのおじちゃんたちがどやどやと集まってきて、どうしたの?どこ行くの?と聞いてくるので「○○(おそらくネガティブキャンペーン気味な部分が今後でてくると思うので伏せ字にしときます)」と言ったら一斉に「あー、○○なー」とうなずき、わいわいと「こっちおいで。こっちで待ってな」と待合所みたいなところにスーツケース持って先導してくれて「今ホテルに電話したからね。すぐ来るって。待っててね」と言って去っていった。5分ほど待つと遠くから「あの黒い車!あれホテルの。乗って!」と口々に教えてくれて、おじさんたちにコップンカー連発でホテルの名前が書いてある車に無事のりこむ。

レセプションでチェックイン後、スタッフとおしゃべりしながらひたすら坂道を歩いて5分ほどで宿泊する部屋に到着。2階建てのコテージの2階部分で、1階には先客がいるようなのでちょっと安心。
中に入ると、天蓋つきのすてきなベッド!メゾネット風のつくりで、ちょっと階段をあがるとすてきなバスルーム!そうそう、こういうところでのーんびりと海を見ながら過ごしたかったのです。ベッドルームの前のバルコニーからは海が・・・少しだけ見えるね。「wi-fi使えるんですよね?」と聞いたら「あ、この部屋は使えないんです」と言われてちょっとショックだったけど、たまにはネットから離れるのも必要よね。テレビも無いから、現代文明から離れて静かにすごせそう。座布団とタイ特有の三角枕をバルコニーに置いて座ったら微妙に湿っていたけど、気にしないことにする。

夕方ちかいので、水着には着替えず本だけ持ってビーチに。コテージから徒歩30秒でプライベートビーチに到着。すてき!動物の気配をかんじ「あ、猫ちゃん?」と思ったら、猫サイズのトカゲが近くをのっそり歩いていて、一瞬気を失いそうに。おちついて。シンガポール大学の寮の庭にもこういうの歩いてたから慣れてる。もっと小さかったけど。気をとりなおし読書。波音が心地よくて最高。
夕暮れを見ながらお食事できるすてきなレストランがHPに載っていて楽しみにしていたので、本とアイホンを持って晩ご飯に向かう。リゾートホテルのレストランの入り口で「一名です」と言うのはなかなかに浮いているようで、店員さんたちが一瞬「ん?」みたいな空気に。あと、やはり「タイ人なのに英語?」という気配が伝わってきつつ、海へとせり出したかたちのオープンエアの席で、曇り空のうっすらとした夕焼けをながめながらChangを飲むしあわせ。ちょっと虫が多いけどね。トムヤムクンと焼き飯をいただくにつれ、虫の数が尋常じゃない状態に。主に羽蟻。1秒でも皿から目を離したら、ご飯の上とかご機嫌で歩いてる!ひいぃいいいぃ。最初はおだやかに追い払っていたものの、追っても追って群がってくるのでさすがにもう辛抱ならず、大量殺戮者と化してしまった。でもキリがない。
虫との戦いに疲れ果てて席をたつと、スタッフのひとりが満面の笑みで「シェイシェイ」と言い、ほかのスタッフが「ああ!」と答えを見つけたかのように晴れ晴れとした顔になり、「シェイシェイ」の合唱に送られながらレストランを後にしました。いつもいつも、タイ人からはどうしても私が日本人という答えを引き出せない。

部屋に戻って灯りをつけると、ベッドの天蓋がランプをさえぎり、暗い・・・。他のライトをつけても暗い。とりあえず、夜は本は読めない。裸足でぺたぺた歩いていると、にゅるっとした、よくわからない黒いものを踏んで一人悲鳴をあげ、冷蔵庫のほうにいくと砂かなにかでじゃりっとした感触。湯船にはさっきまでいなかった息絶えた虫が点々と。あと、建物の周りを何かが土や落ち葉を踏みしめながら歩いたり、壁に何かがごりごりしている音がやたらと聞こえてくる。
心を無にして風呂に入りさっぱりしたところで、不意に風通しの悪い部屋特有のにおいをかんじとる。そして天蓋の上を見ると羽蟻がいっぱい飛んでる。またキミたちか!あと、なぜか屋根に固いものが降り注ぐような音がやたらとするので、ラース・フォン・トリアーの「アンチクライスト」の山小屋にどんぐりが降り注ぐシーンを思い出して心がボキボキと折れはじめ、わたし、ちょっと、ここにあと2日といられるかどうかわからない、というきもちに。

海外パケ放題の術で現代社会に回帰し、他のホテルを探すかサムイ島に行くかいっそのこと香港まで一気に戻るか、それとも日本にかえっちゃう?等、様々なオプションを検索しはじめつつも、面倒になってとりあえず今日のところは寝ることに。
ベッドに入るも風通しの悪い部屋特有のにおいは依然として漂い、いろんな野性的な音も聞こえてくるけど、耳栓して心を無にして就寝。