北米・南米シリーズ2012 Day 10: ラバスーサンパウロ

4時起きで空港へ。またえっさえっさと坂道を上って高い場所へ。頭いたい。まだほぼ夜景みたいな、山にたくさんの街灯がともった夜明け前の景色は実に幻想的で美しい。ジブリの映画とかに出てきそう。
人によるかもだけど、Bolivia Airlines(通称BoA)のチェックインは完全に英語が通じなかった。通路側希望は”Del pasillo, por favor”。またいつか使うかもしれないので書いておこう。
南米に限らずいろんな空港で見かける、スーツケースを巨大サランラップみたいなのでぐるぐる巻きにするサービス、あれ何なのだろう?いつも不思議に思う。あれで衝撃が和らいだりするのかな?一度試してみるべきか。

ラパスを経った飛行機は一旦サンタクルスに立ち寄り、そこで出国検査。ブラジルあたりにはコカ茶を持って入れなかったりするせいか、検査はかなり入念で、なごやかな雰囲気ながらも個室で身体検査もあり。
そしてサンタクルスで標高の低さを全身でかみしめる。頭痛が消えた!歩いても息切れしない!機内に戻るのにしばし待たされたのち、再度搭乗。BoAのスチュワードの制服が、肩に三本線が入っていて、一見操縦士っぽい。というか最初、非番のパイロットがミール配ってるのかと思ってびっくりした。

サンパウロに到着し、空港のタクシー・カウンターで行き先を告げて支払い。乗り場に行ってドライバーにレシートを渡せばOK。空港から出るとジゼル・ブンチェンの巨大な看板などがあって、oh、ブラジル!というかんじ。

ホテルが近づくにつれ、なにやら日本の商店街っぽい街灯が立ち並びはじめ、日本のお寺まで見えて来て浮き立つ。リベルタージという、かつて日本人街と言われていた街(いまは東洋人街に呼称変更)です。その一角にあるホテルにチェックイン。
仕事のメールを送らねばならず、Wi-Fiに接続しようとするも、もらったIDとパスワードで接続できず、フロントにヘルプを求めても解決せず、今からITの人を呼ぶからちょっと待っててー、と言われ、部屋で待っていたら1時間後に呼び出し。再びロビーでITのひとに見てもらうも、ずっとただひたすらわたしがやっていたのと同じ、ログインを何度も試みる、という手法でがんばっていた。最終的に奥の手で管理用のIDとパスワードで入り、それを保存した状態で使ってね、と渡され、部屋に戻りなんとか用件を済ませる。数時間後に部屋にもどると再度ログインできなくなっていたけれど。

ガイドブックで近くに中華料理屋があると書いていたので、中華たべたい!とお出かけ。地図を見てこっちだな、と思った方向に歩いて行ったら思い切り逆方向だった。どうも方向感覚がおかしい。
空港からホテルにいたる道のりでも感じていたのだけれど、サンパウロは若干ピリッとしているというか、のほほんと歩いていてはちょっとヤバいかな、という空気をうっすらと感じる。車が派手にひっくり返っている事故現場など通りすぎ、たどりついた中華料理屋さんはなんか思ってたのと違う。メニューは無いんだよ、ビュッフェ形式で具を取って鍋で食べる方式だよー、おかずだったらこういうのがビュッフェに置いてあるけど、どう?と説明され、ごめんなさい。やっぱりやめます、いいよ気にしないでー、という店員さんとのやりとりを無意識に北京語で交わしていることに気づき、さすがにスペイン語よりも全然自由に使える!と感動。在庫ゼロの言語をその場しのぎで覚えて使うのと、多少は基礎を勉強した言語とでは、使い勝手のよさが全然ちがう!中国語を話すのが楽だと思ったの、初めて。

中華料理屋に行く途中でとうもろこしの屋台が出ていて美味しそー、と思っていて、また戻ってくるときに見たら大勢の警察に囲まれていた。。。なにごと?なんかゴツい街だなあと少しどきどきしつつ歩いていると、日本人のおばあちゃん二人が、漬物石について路上で日本語で立ち話をしているのが耳に入ってなごんだ。
東洋人街のメインストリートのほうに移動してみるとこっちのほうは人通りも多くて安心なかんじ。日本や韓国の食材を売ってるスーパーをのぞいたりしながらうろうろ。お米や醤油は南米独自のブランドがあるみたい。そういうものを苦労して作り上げていったであろう移民の生活に思いを馳せ、勝手にしんみり。通りの真ん中に突然鳥居があったり、マクドナルドもちょっと和風な作りだったりして楽しい。
6日ぶりに標高が低いところに来たからなのか、歩いていると突然の鼻血。そして、ホテルを出るときになぜかバッグのなかからティッシュをわざわざ取り出して置いてきた記憶がさっとよぎる。。。ピンチ。
人差し指を横にして鼻の穴を必死におさえ、上向き加減で歩く怪しい女。そんな場合じゃないのに「上を向いて歩こう」が頭の中で流れる。Sukiyaki! あとは気合いで「鼻血よとまれ!」と念じながら上を向いて歩きつづけ、片手でバッグのなかをあさって唯一の紙っぽいもの=文庫本にかけられた書店のカバーをさぐりあて、さりげなく(たぶん全然さりげなくない)手についた血を処理。気合いのおかげか、アイホンのカメラの自分撮り機能をさりげなく駆使して鼻のあたりを確認したら、けっこうきれいに処理できていたのでOK。
気を取り直し、なにやら素敵そうな日本料理屋に入店。ボリビアで体調不良のあいだずっと味噌汁が飲みたくてしょうがなくて、やっぱり日本人だなあ、と実感していたところなので、とにかく味噌汁が欲しい!そして唐揚げ定食にするかトンカツ定食にするかでしばし迷う。なんて幸せな迷い!
唐揚げにしたところ、東京でも滅多に出会わないレベルの美味なる唐揚げでびっくり。そしてお味噌汁に感涙。オープンキッチンになっていて、いかにもおいしい家庭料理をつくる日本のお母さん、という風情の方が唐揚げやトンカツの仕込みをしているのを見て納得。
レジにいた店主とおぼしきおじいさんが、他のお客さんと普通に流暢な日本語で話していたので、わたしも「ごちそうさまでした」とお会計のときに日本語で話しかけたらポルトガル語で料金を言われたので、日本語で聞き返したら「え!日本の方なの???」と驚かれた。わたしの現地とけこみ化は南米でも通常営業。東京でブラジルのビザを取りにいったときも、日系ブラジル人の係員がポルトガル語で話しかけてくるのでそういうものだと思っていたら、わたしの次に来た日本人には普通に日本語で話しかけていたのでした。