ミャンマー&香港 五日目:バガン

朝ごはんのビュッフェにモヒンガー(ミャンマーの麺料理。どろっとした魚のスープ&そうめん的な麺)があって嬉しい。パクチーをたっぷり入れていただくと幸せ。
バガンを個人で観光する際の足は自転車か馬車というチョイスになるようで、自転車に乗れない典型的な長崎っ子のわたしは必然的に自転車というチョイスは無し。ということで、ホテルのひとに馬車のチャーターってどうしたらいいの?と聞いたら、「ホテルの門を出たらいっぱい御者がいるから交渉するといいですよ」とのこと。乗り物の交渉って、最近だとエジプトやイスラエルで結構疲れ果てた記憶しかないので面倒だなー、と思いながら門を出ると「馬車乗りますかー?」と人がわらわらと集まってきたので、一番控えめな態度だった、スマツプの草なぎくん似のいいひとそうな面構えの御者兼ガイドさんと話し、一日20ドルでチャーターの契約締結。
馬車最高!吹き抜ける風がめちゃくちゃ気持ちいい!御者兼ガイドの名前はコナイさん。馬はラッキーちゃんという女の子の、ほのぼのコンビ。コナイさんの英語がとても丁寧なのも好感度高い。コースはすべておまかせで、まずは見晴らしのいいところに行きましょう、と案内された最初のバゴダで、「暗い階段を登るんだけど懐中電灯とか持ってますか?」と聞かれ、思わぬところでアイホンの懐中電灯アプリが活躍。見渡すかぎり他に誰もいない草原にある真っ暗な建物のなかを、会ったばかりのひとと二人でうろつくので若干の緊張が走るけど、いいひとそうだと思った勘を信じるしかない。「頭気を付けてくださいね」と言われたそばからズゴゴと天井に頭をぶつけて悲鳴をあげつつ、真っ暗な階段をひたすら登った先には、バゴダや寺院の尖塔がぼこぼこ見える素敵な景色が。すげえ!

静かな草原にぼこぼこと突き出る無数の赤茶色や灰色の尖塔。こんな景色見たこと無い!いきなりテンション上がる!いやいやいや、これはすごい!と興奮しながら再び馬車に乗り込む。すれ違う馬車は観光客よりも地元のひとが乗っていることが多い。普通に地元の人の足なのだね。見渡すかぎり素朴な景色でなごむ。


いくつ回ったか覚えていないくらいのお寺やバゴダを案内されたんだけど、四方にそれぞれ大きな仏像が鎮座しているのが各お寺の基本的なつくり。中はどこも暗い。あと、はだしで中に入るのね。羽蟻の羽の部分が床のうえにふぁっさーと散乱しているお寺も結構多かったり、中でハトが飛び回っているところになにやら冷たいものを踏んだ気配がしたりで、自分のかすかに神経質な部分を抹殺し、心を無にしないと辛い場面も多々あり。
どこかのお寺で土産物売りの女の子に「日本人?」」と声をかけられ、返事しようとしたらわたしの近くにいた地元のおじいさんが「いや、ミャンマー人だろ」って英語で言っててウケた。もう、これでほぼ東南アジアすべての国において現地人顔であるというリサーチ結果が出ました。

うっかり顔用の日焼け止めを忘れた私を誘惑するタナカ売りのお姉さんたち。フレンドリーでいい人たちだった。というかバガンで出会う人たちは皆ことごとく感じがよかった。

日本軍にまつわる慰霊碑があるお寺も訪問。敵・味方・犠牲者全員の慰霊碑の前でじっと思いを馳せる。

お昼ご飯はベジタリアンレストランに連れて行ってもらって、ココナッツカレーとライムジュースをいただく。美味!汗だらだら。ここで馬のラッキーちゃんにもお昼ごはんを食べてもらわねばならないということで、一旦ホテルに戻って2時間の休憩タイム。涼しい部屋でビールを飲みながらごろごろする極楽。
ふたたびホテルの門のところでコナイさんとラッキーちゃんと合流して、午後の部の観光スタート。馬車があまりにも楽しいので、翌日空港まで送ってもらえないだろうかと聞いてみたら、ちょっと気が遠くなるような時間がかかるそうで却下。残念。雲が厚くて遠くで雷が鳴りはじめ、なんか危険なかんじ。

十何軒目かわからないバゴダのてっぺんで写真撮ってもらっていたら、突然の突風と大粒の雨が到来。あわてて中に入り、雨宿り。ラッキーさんは遠くでずぶぬれ。。。申し訳ない。。。
小半時ほどすると小雨になり馬車に戻ると、シートはもちろんたっぷり水をふくんでいただけど、そこに腰かける以外にチョイスは無いので、うわああああと叫びながら座る。なんかもう面白くなってきて、コナイさんとふたりで爆笑しながら、池と化した道をラッキーちゃんにひかれながらじゃばじゃば駆け抜けた。

次に行ったお寺を観たあと、お茶を飲みながら雨宿りしたあと、夕日を見るポイントへ。ことさらデカい寺院に案内してもらい、上に上ると人が沢山!バガンをめぐっているあいだ他の観光客とほとんど会わなかったので新鮮。しかも日本人にようやく出会い、夕日を眺めながらおしゃべり。皆世界一周の途中なのがうらやましかった!

雨雲が残っていて、一面茜色の夕焼け、という感じではないのが残念だったけれど、無数に点在するバゴダや寺院が少しずつ薄闇に沈んでいく様は壮観で、しみじみといいところだなあと思いました。
ホテルに戻り、本日の馬車観光があまりにも楽しかったので、翌日も時間ぎりぎりまでコナイさん&ラッキーちゃんとバガンめぐりをすることを約束してお別れ。ホテルのレストランに行ったらちょうどディナーショー的なことをやっていた。静かに見守りつつご飯。