天才スピヴェット

ちょっと元気のない小さな子がひとりで堪えながらいろいろがんばる物語とロードムービーが大好物なうえに、それを描くのがジャン・ピエール・ジュネっていうのがたまらない。愛らしさと切なさに胸がぎゅんぎゅん。旅の途中、夜汽車の窓外を眺めながら「通りすぎる家の窓のひとつからこの列車を見ている子どもと入れ替わりたい」と感じるあの甘美な寂しさ、すごーくわかる!そして、はたから見ているとそのひとり一人が愛おしくてしょうがないのに、ちょっとうまくいっていない家族の姿が切ない。主人公の10歳の男の子の繊細さと儚さと聡明さが完璧!全然性格の違う弟のたたずまいもたくましくて可愛い。そしてヘレム・ボナム・カーターの安定感。
3Dいるかな・・・いる?ってかんじで若干疑問はあったものの、飛び出す絵本的な楽しさはたしかに感じられました。