インターステラー

ひとつの大きな旅を経験したかのような気持ちになる映画。すばらしいintellectual journeyだった。知と愛の物語に脳と心を刺激され、手間暇のかかった壮大な新しい景色を見せてくれる豊かな映像の組み合わせに圧倒されます。相対性理論とかいまだにしっかりとは理解しきれてないレベルなので、劇中で出てくる概念を咀嚼するのに手間取ったけど、途中からもう、「わー、スペースマウンテンに乗ってるみたーい」と、あまり深く考えずに見てました。現時点の技術で見られる宇宙の映像の最高峰はゼロ・グラビティですでに見てしまったのではないかと思っていたけれど、こちらはこちらでまったく違う職人さんが作った異なる味わいで新鮮でした。あー、スペースデブリがー!気を付けてー!とあの映画を思い出してはらはらしたけど。
そしてこれだけ重厚で深い作品を生み出しながらもダークでアーティスティックな自己満足に終わらず、ちゃんと前向きなメッセージや希望の光を真摯に描いているのがクリストファー・ノーランの素敵なところだなあと思いました。

主要キャストでクレジットされていないある俳優が出てくるんだけど、あれ?このひと出てるの?いや、そっくりさん?いやしかし本人かな?いや、やっぱりそっくりさん?しかしこんなに似てたら逆にハリウッドで仕事とりにくいだろうなー、と勝手に心配しながら見てた。エンドクレジット見たらご本人でしたね。なかなかのサプライズでした。マイケル・ケイン様の詩の朗読が超素敵。Rage, rage against the dying of light. 何度も繰り返されるディラン・トマスのこの詩が、映画の要というかテーマを表しているような。あきらめたり妥協したりすることなく立ち向かおうよ、みたいな。あと、一番心をつかまれた出演者(出演ロボット?)は断然TARS!はてしなく有能で、どんどん愛らしく、いとおしく思えてくるふしぎ。
↓このひとがTARSパイセン。めっちゃできる子。