ロック・ユー 

marik2006-07-27

ベタニー祭り続行中。この映画、古代ローマのコロッセウムでライオンと戦う若者のシリアスな物語だとずっと思いこんでいたんだけど、全然違った。『グラディエーター』のイメージと混線していたのかな。馬に乗りすれ違い様に槍で一撃、という競技(joustingと呼ばれているようデス)にかける、笑いあり涙あり恋愛ありの、ナウなヤングのサクセストーリー。舞台が1300年代のイギリスなので、エドワード黒太子とか、ジェフリー・チョーサーなどの歴史上の人物が出てくるところが楽しい。

騎士とはなんぞや、というのがエッセンスとして効いていて、原題のA Knight's Taleというのがしっくりくる。なぜにロック・ユー・・・。たしかにクイーンのWe Will Rock Youがいい感じに流れるのだけれど。ヒース・レジャー君(断背山での、何をしゃべっているか分からないカウボーイと180度違う爽やかさ!)の嫌味のないピュアさに、やあやあ、がんばって!と応援したくなる、すがすがしい風を運ぶハッピーな映画でした。

ロック・ユー! コレクターズ・エディション [DVD]
ポール・ベタニーはチョーサー役です。カンタベリー物語を書いた、あのチョーサー。知的なんだけどちょっぴりダメな感じも漂う、飄々とした文人っぷりがとても良い!作家らしい豊かな語彙と想像力あふれる台詞を雄弁に語る姿が見ごたえアリ。そしてそして、attention, ladies!!ポール、いきなり全裸で登場!Yes!!全裸ですが何か問題でも?という感じの普通のテンションで人々と会話するのが可笑しい。今、オーディオコメンタリー(ポール&監督がビールを飲みながらだらだらと話している)にして見ている途中なんだけど、ポールが「僕のお尻は僕よりも先にアメリカで人気者になった」と言っていました。ポールのコメントはまんべんなく気が利いていて面白い。もー、このDVD絶対買おう。監督とはもとから仲良しのようで、チョーサーの役は始めからポールを想定して書いたらしいので、彼の魅力がいかんなく発揮された快作に仕上がっています。