ギャングスターNo.1

上記の映画の冷静だけど可愛げのあるお医者さんとはうって変わって、こちらのベタニーさんには、お前の血は何色だ?と4,5回問い詰めたくなりました。自分が求めるものを得るために、いかなる残忍な手口もいとわないギャングスター。斧を出されて、あらゆる感情を排除した、ただひたすら青く透き通った瞳で"Look in my f***in eyes"なんて言われたら、そら恐怖で失神します。

暴力的なシーンがある映画はほんっと苦手なのだけれど、直接的すぎない(やっていることは相当ヒドい)映し方が上品なので大丈夫だった。憧れの対象への憧憬が過度につのるあまり、憎しみに変換される感情の揺れは分かる気がする。自分が望んでいた場所にたどりついても満たされない空虚な気持ちや、追い越したくても一生追い越せない相手へのもどかしさも。そういった心象風景がスタイリッシュな映像で描かれる、クールな良質映画でした。ベタニーさんにハマって以来、次々とめっけもんのいい映画に出会えるのが嬉しい。

ポールが最初に仕立ての良いスーツに身を包むシーンが素敵すぎて、小声で「ヒィィ」と悲鳴を上げてしまいました。救心をください!猟奇的かつエレガントなギャングスター・ポールに星5つ★★★★★(いつからこんな評価形式に?)