冬の欧州ひとり旅 八日目 フランス

marik2007-01-02

最近話題(たぶん)の、奇跡のメダイ教会という名の教会へ。マリア様に会った修道女が眠る教会で、じっと祈りをささげる。メダイを購入するさい、日本人のシスターが教会の由来などを説明してくださった。いつの日かあの教会にお礼に行かれるよう、努力の積み重ね&奇跡待ちだわ。

老舗デパート、ボン・マルシェの食品館にあるカフェテリアでランチ。これとこれとこれを入れてね、と目の前の具を見ながら選んだサンドイッチが激ウマ。フランスで不味いものを食べたことが一度も無い。

そしてボン・マルシェへ。資本主義ってすばらしい!青山一帯のお店をぎゅっとまとめてデパートの1フロアにセンスよく配置した、見ているだけでうっとりする洋服たち。そして靴売り場で、素敵な靴たちのパレードに血圧が急上昇。欧州入りして以来、物価の高さにかなりビビっていて、今回は勢いで高い買い物をして後悔という過ちは犯しそうにないわね、とたかをくくっていいたというのに、靴の海の前ですべてが決壊しそうに。おちついて、おちついて、と自分に言い聞かせ、人道的な値段のrepettoに照準を絞り、ずっと欲しかったけど日本では店頭で見かけない色と形の靴を入手。日本よりほんの少しだけ安い。マリアージュ・フレールの紅茶が、なかなかのお手ごろ価格でうれしい。消費目的で作られた美しいものって、人を幸せにするものなのだなあ、とデパート内を歩いている間中夢見心地だった。

ルーブル美術館に行ってみると、まさかの休館。まさかのリサーチ不足。とぼとぼ歩いて近くにあるオルセー美術館へ行くと長蛇の列。入るのに1時間待ちです、と係の人が言っていて、迷ったものの、オルセーは今までに行った美術館の中では世界で二番目に好きで、世界で一番好きなアンリ・ルソーの「蛇使いの女」が置いてあるのだった。せっかく来たし、ここは挨拶しておかねばと、途中で何度も冷たい雨に降られながら、結局1時間半ほど並んで入場。

そうそうそう、この、広すぎず、狭苦しすぎずのほどよい空間がとても良いのよね、とウキウキしながら館内ガイドを開くと、な・ぜ・か、アンリ・ルソーの名前だけが無い。確か、この辺だった・・・と思う場所に行ってみても無くって、でもそれ以外の絵はわりと記憶の通りに並んでいて・・・ドウナッテルノ?インフォメーションに行って「あのぉ、むかーし来たときにアンリ・ルソーの絵を見た記憶があるんですけど、無くなっちゃったの?」と聞いてみたら「ああ、あの絵は今貸し出し中です。えっとー、今、日本に行ってるみたい」「じゃぱん????」」と思わずデカい声で叫ぶオレ。「うん、日本・・・か、アメリカ。来年くらいに戻ってくるよ」とのこと。(後日、帰国して街角で「オルセー美術館展」の案内を目にしたときの徒労感よ・・・。来てるのか、あの絵は本当に来ているのか?)。アイヤー。

ミレーの「晩鐘」に心洗われたから、まあ・・・いいか・・・と肩を落としつつ美術館を出て、ホテルまで徒歩で戻った。意外と距離があって、疲れてなんとなくしょんぼりしながら歩いていてふと開けた場所に出たら、前方にはエッフェル塔が光り、左手にはアンヴァリッドの黄金の屋根がライトに照らされ、右手には豪華絢爛な橋という光景が広がっていて感嘆の息がもれた。360度の美しさって、どうしても写真には残せないよなあ。

ホテルのすぐそばのビストロで晩御飯。エスカルゴを食べたのは幼稚園以来かもしれない。おいちー。ボルドーの赤とともにいただいた、牛の煮込みも絶品。とろっとろに煮込んだ牛肉と、あと一緒に入っていたコリッコリの軟骨つきベーコンが、人間の限界に挑戦するかのようなコリコリ感(翌日、顔が筋肉痛になった)で噛み砕くのに相当難儀したけど最高においしかった。