冬の欧州ひとり旅 十五日目 オランダ→日本

朝の散歩でアムステルダムに別れを告げる。風が強く、雨の気配。立ち並ぶコーヒーショップの前を通るときは、いけない葉っぱのにおいがつかないかドキドキしながら通り過ぎた。衣服に染み付いた匂いでも空港の麻薬犬が反応する可能性がある、とガイドブックに書かれていて、犬が苦手なので日本で違法なものには絶対に近寄るまいと心に決めておりました。

パリは別格として、アムステルダムもまた再び訪れてみたいと強く思った次第。アジアを歩くときのワクワクに似たものを感じた。街中にあるコロッケの自動販売機を試してみようと思いながらも空腹のタイミングが合わなかったので、いつの日かまた来たときに、必ず。

駅までスーツケースを引き摺り歩いて電車で空港へ。早めにチェックインして通路側の席を確保。したにも関わらず、いざ搭乗すると、ちょっとした出来心の親切心から他人に通路側を譲って真ん中の席に座ることになってしまい、窮屈なおつかれフライトでした。

機内映画で見た「我要成名」がものすごくよかった。久しぶりにキュンとする香港映画に出会ったよ。劉青雲の再生する姿に心打たれる。その後にもう一本、フィオナ・シッの「新紮師妹3」というグダグダ感100%の映画で脱力。日本人俳優の鈴木仁くん、広東語や英語の芝居はやっぱり難しいんだろうね、うん、大変だよね、と思いながら見ていて、日本語を話すシーンでも、あらら〜なかんじだった。加油!森美(サミー)をちゃんと見たのは初めてだったのだけど、わりと好きな感じの男子だということを発見。あと、"Jackass 2"で笑い死にしそうだった。ほんっと最低の映画。しかしウケる。

成田に着き税関でオランダから帰ってきた旨を告げると、生まれて初めて税関でスーツケースを開けさせられ、「マリファナとか持って帰ってきてませんか」と単刀直入に聞かれた。そんな豪胆なことができる器ではないというのに。挙動不審に見えたのかしらん。

おしまい。