香港で柔道。乱闘シーンも柔道。グラスホッパーの人(ナイスな存在感!泣けた)が歌う日本語の演歌(「姿三四郎」の主題歌だっけ?)。なんだか不思議な世界が広がっていた。

かつては柔道の名選手だったものの、今は柔道を棄ててバーの店長をやっていて、やたら無気力な様子の古天楽、彼に勝負を挑もうとまとわりつく、やる気マンマン日曜日なアーロン、そして歌手志望のはすっぱな(昭和ボキャブラリー?)台湾娘。この3人のうまくたちゆかない人生の苦さに切なくなり、彼らがぐぐっと前に向かって走って行く姿に涙。ジョニー・トー映画ならではのアンサンブル演技の妙も楽しめるし、夜のシーンはやはりどれも美しく印象的。ええ映画や。

古天楽は、ほんっとにいい役者だなあ。日焼けした五月人形みたいな二枚目なのに、その整った顔が演技の邪魔をしていないところがすごい。きれいな顔立ちそのものではなく、彼が内側から表現する、役柄の人間性や感情が、観客を魅了するというか。