図鑑に載ってない虫

もう、見ている途中で映画館の床をゴロゴロ転げまわりたくなるくらい、この映画が大好きだった。なんてばかなんだ。ばかすぎる!好きすぎる!小ネタにくすぐられながらずーっと笑顔でスクリーンを見つめ続け、たたみかけるような終盤でぐっと切なくなり、最後はスカっと。いい。すごーく、イイ。
松尾スズキの絶妙な動きと珍妙なテンションを大画面でこころおきなく堪能できたのがとても幸せ。遅れてきたヒッピー的な装いをどこかで見たことがあると思ったのだけど、「時効警察」の最終回に出てきたキャラクターと同一人物なのかな?松尾氏演じるエンドーは、「イン・ザ・プール」の伊良部をさらに進化させたような強烈さで、しょっぱなから持ってくなー、と思ったら、さらに濃い人たちが新たにどんどん現れ続けるので、話が進むにつれエンドーがまっとうな人間に見えるようにすら。というくらい濃いワールドでした。
菊池凜子がとてもキュート。「バベル」では、正直、確かに気迫は伝わってくるけれど、これからも色んな映画に出ているのを積極的に見たいとは思わないなあ、という印象だったのだけれど、取り消します。今までにいそうでいなかった空気感を持っていて、かなり惹きつけられました。あと、ふせえり岩松了が二人並んで画面に映ると、ほんと間違いないよなあ。絶対に笑顔になれる。