刺青

ゲイ&レズビアン映画祭にて鑑賞。こういう名を冠した映画祭に足を踏み入れても、今はもう胸が痛くなることもないなんて、歳月の偉大さをつくづく思い知る。

なかなか開場しないと思ったら、字幕が表示されないというトラブルが起きたので対応中だけどもしかしたら字幕なしの上映になるやも、という発表がなされ、すぐに払い戻しの対応などが始まったのでびっくり。まあ、3割方聞き取れれば御の字だわ、勉強、勉強、と思ってその場にとどまることに。映画が始まると結局無事に日本語字幕も表示されたのでよかった。

映画の方は、とにかくレイニーちゃん可愛い祭りだった。ネットアイドルの役なので、そのプリップリの可愛教主っぷりを遺憾なく発揮。一見無邪気を装った愛らしさの裏にものすごい孤独を抱えているところが痛々しくて、なかなか胸に迫るものがありました。イザベラ・リョンをじっくり見たのははじめてだったのだけど、なぜか勝手にハーフのお嬢さんだとずっと思い込んでいて、バタ臭い顔立ちの子であろうとイメージしていたら、すっとした和風美人だった。過去の出来事のせいで自らを常に牢獄に閉じ込めているようなストイックさが切なし。

この愛の話が女子同士である必然性がいまいち分からなかったのだけど、そんなことを言うのは野暮天(死語)かしら。性別を超越した二つの孤独な魂の邂逅、と思えばよいのかな。どよーん、どよーんとした挙句、ほのかな希望を感じさせるような作りで、後味は悪くなかった。ラブシーンも含めてレイニー・ヤンの気合というか根性が伝わってくる映画でした。