ボルベール<帰郷>

いい映画!あらららら、という感じのヘビーな事件がありつつも、スペインの女性のたくましさやあたたかさがしみじみと伝わってくる、実にいい映画だった。いろいろ大変なんだけど、たくましく対処するし過去にもそうしてきたらしきペネロペの姿を見ていると、生きる活力が沸いてきた。彼女が♪ボルベール、と歌うシーンは、涙がほろほろ。歌は吹き替えらしいけれど、表情だけでほんとに泣ける。強くて媚びない美しさがにじみ出たペネロペは全編にわたって万遍なくすばらしい。同じくアルモバドル監督の「ハモンハモン」で初めて彼女を見たとき、なんてきれいな顔!体!とびっくりしたものだけれど、あれから十数年が経ち、若いだけでは出せない女優としての魅力がいい感じに練られてきたような印象を受けました。
お母さん役の女優のキラキラした瞳にも、笑顔と涙を誘われた。出てくる女性だれもが、スペインの街角でひょっこり会えるんじゃないかしら、と思ってしまうような自然な存在感。娘役の子がときどきロナウジーニョに見えた。