周杰倫世界巡迴2008日本演唱會 @日本武道館 二日目

大きな玉ねぎの下で(古すぎる)ジェイ・チョウさんと過ごした素敵な二日間が終わってしまった。二年前の奇跡の国際フォーラムの初々しい感動とはまた別の、さらに進化した一体感が楽しかった。

香港公演と異なった点:

  • 登場するたびに笑ってしまった「夜曲」のピンクの巨大ハイヒールのセットが無かったので安堵
  • 今回「菊花台」が無かったのは、あれかしら、4月の映画公開のころにまた来て歌ってくれたりするのかしら、と、ほんのり期待せずにはいられない
  • 「髪如雪」の琴演奏ナシ。の代わりの三味線
  • 香港人観客の反応は直情的というかラテン的だったのだなあとあらためて思った。ダンサーのパフォーマンスへの反応などが特に

日本ならではの感動ポイント:

  • スクリーンに日本語訳の字幕。おおよそ理解しているつもりの歌でも、ジェイ氏の生の歌声を聴きながら日本語で書かれた歌詞の意味を見ると、さらにじんわり染みる。たまに見受けられる打ち間違いやオモシロ訳はご愛嬌。『夜的第七章』での「人間性を超越した沼沢」という訳を思わず二度見。これは、「超過人性的沼澤 誰真的可以不被弄髒」=人間らしさの沼を渡った後、誰が穢れないでいられようか(超訳)というような意味なのだと思っていたのだけど、人間性を超越してしまった沼沢さん・・・沼沢さんに一体なにが?と、Lalaちゃんが熱唱している間もずっと沼沢さんのことばかり考えていた
  • 雪の華」ピアノ弾き語り。ジェイの声質に合っていてよかった。♪泣けちゃーうくらーい、という歌声に泣けちゃうくらい。ほんの少しだけ舌足らずな日本語に愛らしさが漂いつつも、発音は非常にきれい。やっぱり音楽の人って耳が良いのだなあ。そして、伝説のモモタロさんふたたび
  • 通訳は、あの形態だとタイミングが難しいのはよくよく分かるものの、プロフェショナルの意地でもっと頑張ってほしいところ。「え、日本語だとそんなに短いの?」とチョウさんがロスト・イン・トランスレーション状態になっている姿は、それはそれで微笑ましかった
  • 津軽三味線!「頭文字D」の豆腐屋の息子のドライブ映像→金屏風をバックに津軽三味線を弾くジェイと日本の演奏家が登場→「周大侠」+三味線の音色with「カンフーダンク」の映像、という一連の流れが、鳥肌が立つほど最高にかっこよろしかった。「周大侠」は、ジェイの作品を好きじゃないと初めて思ってしまった衝撃の一曲だったのだけれど、このライブで聴いて一転、歌っている本人の楽しそうな姿とともに印象深いお気に入りソングに。そういえば、ジェイ・チョウさんの音楽はそういう風に変容していくものだったことを思い出した。こぶしを突き上げてジャンプしながら豆腐!豆腐!と叫ぶなんて、日常生活ではあまり味わえない体験

アンコールの「陽光宅男」以降の怒涛のジャンピング天国が、もうほんっと楽しすぎてどうしようかと思った。あの構成は素晴らしい。そして、やはり、ピアノを弾く少し猫背気味の周杰倫の背中には、天才音楽家ここにあり、というオーラを感じてぐっと来る。次にあの姿を目の前で見ることができるのは、いつになるのかしらん。