四月大歌舞伎 夜の部

・将軍江戸を去る
薩長と戦うよ!という慶喜を止めるべく説得するお話(たぶん)。橋之介さんが叫んだ「戦争ほど残酷なものはございません」という台詞に普遍的な痛みを感じてぐっときた。

勧進帳
なぜか小さいころから歌舞伎=勧進帳というイメージを持っていたものの、実際に見るのは今日が初めて。なるほど、歌舞伎の面白さがぎゅっと凝縮された演目だった。朗々と流れる義太夫を聴いているだけで心が沸き立つここちよさ。玉三郎義経がクール。

・浮かれ心中
数十分前まで勧進帳でめっちゃシリアスな関守を演じていた勘三郎さんが、のほほーんとした顔で出てきた瞬間からもう可笑しかった。作家(戯作者)になりたい男が世間の耳目を集めるために、親に勘当を申し出たり、会ったことのない娘のもとに婿入りしたり、なんやかんや騒動を繰り広げるさまが、ああ、こういう風に話題になりたがりの芸能人っているよなあ、と井上ひさし(の原作)らしい風刺を感じた。クライマックスのチュウ乗りの面白さにワクワクしていたら、そこに流れてくる音楽の素晴らしさに悶絶。あれ、ネズミの国から怒られないのか心配。最高!