スティング PERFOMING WITH エディン・カラマーゾフ @オーチャードホール (12/17)

ラビリンス1年に2度もスティング先生に会えるなんて、なんたる贅沢!!しかも、東京ドームで飛び跳ねるザ・ポリスの一員としての先生と、こじんまりとしたオーチャードホールでちょっと風変わりなアンプラグドをしんみり聴かせる先生という、今までに生で見たことがなかった二つのスタイルで。
16世紀イギリスの作曲家およびリュート演奏家のジョン・ダウランドの楽曲を、エディン・カラマーゾフリュート演奏に乗せてスティングが歌ったり、ダウランドが残した手紙を朗読したりする「ラビリンス」というアルバムが出たのがたしか2年くらい前。リュートの弦の儚い音色に乗せて、古風な言葉の響きが美しい詩の世界がスティングの歌声で静かに広がる「ラビリンス」の世界を生で再現しましょう、というのが今回のツアーのテーマ。それはもう、もう、とーーっても楽しみにしていたのだけれど、所用により大幅に遅刻してしまい、会場に到着したのは開演から50分ほど経ってからだった。口惜しい・・・かえすがえすも口惜しい・・・。

大汗かきながら会場に足を踏み入れると、うすぐらい舞台の上にスティング先生とエディンさんと小規模なコーラス隊がぽつんとたたずみ、静かに静かにきれいな音楽を奏でていた。普段のスティングとは違う発声法の、なんともエレガントな歌声にうっとり。歌の合間の手紙の生朗読にさらにうっとり。結局ラビリンスからの曲を4,5曲聴けたところで本編が終了。

アンコールではまず似たような雰囲気の19世紀あたりの楽曲を2曲ほど演奏。そして、「次はもっと最近の。60年代ね」と言って歌い始めたのはビートルズの"In My Life"。疲れた心に染みて泣けた。次の曲のイントロに、まさか、まさか、今日はあの歌は演奏されないであろうに・・・と思っていたら ♪You'll rememeber me, when the west wind moves upon the field of barley と歌いだしたのでまた泣けた。私の中でここ15年間、世界で一番好きな歌として輝き続けている"Fields of Gold"が、リュートのクラシカルな音色とともに素敵なアンプラグド状態に。さらに"Message in a Bottle"もバロック調かつパンキッシュに弾き語り。先生! すばらしすぎます!

その後も何度かアンコールが続き、ブルースっぽい歌や、クリスマス・キャロルなどを披露。最後の最後、「これを演奏するのは超緊張しちゃう」と言いながらスティングが弾き始めたのは「さくらさくら」。古のヨーロッパの楽器で奏でられる和の音律はなんともエキゾティックだった。