新春浅草歌舞伎 第一部

marik2010-01-09


一. 正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)
父の仇うち!とはやる亀治郎をいさめる勘太郎、みたいな踊り。二人並んで台に乗ってザザーっと登場するときの華やかさに、ザ・新春!というおめでたい気持ちが盛り上がる。二人ともリズムの取り方がとても小気味がよくて見ているだけでわくわくするし、勇壮さと絢爛さに目が覚める思い。ブラボー。

二、元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿
吉良に仇討を!とはやる亀治郎をいさめる愛之助さん、みたいな芝居。いいこと言ってた。司馬遼太郎の小説に最近急にハマりはじめて武士のメンタリティというものがより深く理解できるようになった気がしているのだけど、歌舞伎を見る際にも、その心意気がよくわかるようになった気がする。

三、忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの)将門
遊女姿の七之助と武者の勘太郎の踊り。それぞれの持ち味が生かされた踊りにうっとり。花道の真横の席だったので、久々に間近で見るシッチーの端麗な女形にひたすらため息だった。終盤で出てくるガマの妖怪がめちゃくちゃかわいい。つぶらな瞳の大きなカエルのぬいぐるみが出てきて、赤い口をかぱーと開けて、右手をほい、と上げると右側の追っ手たちがダウンして、また赤い口をかぱーっと開けて、左手をひょっと上げると左側の追っ手たちがダウン、みたいな。幕切れでのカエルに乗ったシッチーがクールだった。この演目すごく好き。