Dr.パルナサスの鏡

marik2010-02-02


こまったことになってしまった・・・まさかこんな日が来るとは・・・。これまでずっと、「いちばん好きな映画は?」と問われたら、「未来世紀ブラジル」と迷わず答えてきたのに、Dr.パルナサスは、ブラジルよりさらに好きかもしれない。テリー・ギリアムテリー・ギリアムを超えてしまった!でも、この映画が人生のベスト1と言いきるには、まだ、ちょっと、私たち知り合ったばかりだし・・・と、もじもじしちゃう。

ギリアム師匠のイマジネーションの世界をたゆたうのはいつだってとても気持ちがいいものだけれど、今回はまた格別に魅力的な世界だった。なんというか、華やかさや鮮やかさが増したというか、メジャー感が強いというか、なんだろ?デップ(ラスベガスのときの衝撃のヘアスタイルとは違って今回は美麗)とかジュード様とかが出てるから?もちろんシニカルさやブラックさも健在だし、くるったユーモアも相変わらずすごく好み。 "Join the Fuzz"のくだりがモンティ・パイソンっぽくて最高だった。

映画そのものの完成度の高さはもちろん、製作にまつわるストーリーを思うと、この作品がこういう形で完成したのって奇跡に思える。現実の世界バージョンのヒースの部分は撮り終わっていた、とかそういうところも。映画のラストはほろほろ泣いてしまったのだけど、そこにかぶさるように"A Film from Heath Ledger and Friends"という文言が出てきて、そこにこめられた皆の想いを考えるとさらにほろっとした。ギリアムは、映画の神様にとびきり愛されているがゆえに、次から次にと試練を与えられてしまうのかな。今度こそドンキホーテの映画が完成しますように。