コクーン歌舞伎:佐倉義民傳 (千穐楽)

今年もコクーン歌舞伎を見られるしあわせ。21世紀を生きていてよかった!
劇中にラップがでてくると聞いて、勘三郎さんがYO!YO!家族や仲間にマジ感謝!生まれてきたことオレ感謝!みたいなかんじでやるのかと不安がよぎっていたのだけれど、そういうのじゃなかったからホッとした。和太鼓に合わせて農民たちの一年の生活を描写するラップというのがなかなか自然かつクール。
厳しい年貢に苦しむ農民を救うために私心を捨て、命を投げうつ覚悟で奔走する名主の物語ということで、現在の政治情勢などと照らし合わせていろいろ考えちゃうところも多々あったのだけど、最後の最後にそういう熱いメッセージが羅列されたのが意外というかそれはそれで面白かった。
宗吾の息子たちのかしこさ、けなげさが秀逸。ああいうきちんと躾けられた子どもの姿って、従来日本にあったものの今やほとんど無くなってしまった美しさで、そういう概念も含めて次代に伝えていくのが歌舞伎なんだなあとあらためて思った。
七之助が演じる女子の可愛らしさが例によって半端ない。勉強になります。
千秋楽だからか、カーテンコールはもはや公開打ち上げのあいさつの場みたいになっていて楽しかった。来年は二カ月コクーンでやります、と勘三郎さんからのご挨拶が。楽しみ!!