ろくでなし啄木 @東京芸術劇場

三谷幸喜作の舞台を見るのすごく久しぶり!パルコ歌舞伎以来かな。石川啄木が、純朴な作風とはかけ離れた、女と金にだらしない男、という設定。そして彼の恋人のだめんず女子と、彼女に惚れている啄木の友人、という三人芝居を、なつかしの『新撰組!』でいうところの沖田総司と男装の女の子(吹石一恵)と藤堂平助が演じていました。

藤原くんを舞台で見たのは初めて。ろくでなし度が最高潮に達したあたりなど、「もー!憎たらしい!上手い!ろくでもない!上手い!」と唸らされた。啄木が抱えていた、自分が書きたいものや、こうあるべきだと思いこんでいる自分像と、本来の自分の作風や性質とがズレている苦しみ、というのがすごく印象的だった。

勘太郎は歌舞伎以外の芝居さえも、お父さんに似てきたのだなあと感嘆。勘三郎さんがよくやる、声にちょっと笑いをにじませながら台詞を言う芸風が出た瞬間があって、え、そこまで似てきたの?と、ちょっとびっくりした。