欧州・中東・亜細亜めぐり Day 3 湖水地方-ロンドン

marik2011-04-30

朝、カーテンをあけると、窓のはるか下をぴょこたんぴょこたんと何かが跳ねている・・・野うさぎ!フロプシー?モプシー?コットンテール(ピーターラビットの妹たち)?それともピーター?!最初は二羽いたのでピーターとベンジャミンバニーかしら?寝覚めのひとりファンシー祭りでひとしきりときめく。

朝食前に外にでて羊の声とひんやり心地いい風のなか軽くさんぽ。ピーターはどこかに跳ねていってしまったもよう。食堂でほかの宿泊客たちとおしゃべりしつつ朝ごはん。ディナーに負けずおとらず美味!!!パンやら肉厚のベーコンやら卵やらがめちゃくちゃおいしかった。パンにつけるはちみつは、蜂の巣のきれはしごと置いてあったりしてときめく。

わたし必ずまた数年後にこの宿に戻ってきます!とリチャードさんに誓いながらチェックアウト。ほんとに居心地のよい安らぎの宿だった。開園直前のヒルトップ農場にいくとすでに行列。時間ごとに入場制限をしていて、15分後くらいのチケットを入手。ベアトリス・ポターが暮らし、愛らしいキャラクタたちを描いた家は、こじんまりとしたわりと簡素な風情。ここからはばたいた彼女のイマジネーションが世界中の人たちをやさしい気持ちにさせているのだなあ、としんみり考えながら家のなかをそっと散策した。庭でうさぎたちがぴょんこぴょんこ跳ねていたのもすてき。

つぎにホークスヘッドという村へ移動しようと、バスの時間を見るとかなり待ちそうなので、iPhoneのマップ機能を駆使しつつ(といっても国道をひたすら歩けばよさそう)歩きはじめたのだけど、とにかく荷物が重い。リックサックにすればよかったと100回くらい後悔しながら、道路のはしっこをとぼとぼと歩く。

傍らの湖ではカモの親が小さな子どもを7羽くらい引きつれて泳いでいたり、例によってそこかしこで羊が子連れでぼんやりしていたり。たまに車や自転車とすれ違う以外は、ほとんど人に会わず。一人だけランニングしている人がいて、いいなー、と思った。湖水地方で1週間くらいのんびりして、毎日あの穏やかな景色のなかを走るのもよいなと思いました。

1時間ほど歩いてようやくホークスヘッドに到着。愛らしい町並みは意外とにぎわっていた。ベアトリス・ポターのだんなさん(映画ではユアン・マクレガーが演じてましたね)の弁護士事務所だったところが今はポターの原画を展示するギャラリーになっていて、またこじんまりとしたお家のなかに小さくて繊細な絵がたくさん飾られている夢のような場所。世界中の言葉で翻訳された「ピーター・ラビットのおはなし」の本がずらりと並んでいた。中国語だと『小兔彼得的故事』だったかな。

今回はとりあえずポターさんだけに特化した湖水地方訪問だったので、求めていたものはだいたい達成。さてどうやってウィンダミアまで帰ろうかと考えあぐねているところに、ゴートツアーのシャトルバスを発見。運転手さんに「これフェリーハウスまで行きますか?」と聞いたら、「行くよ。歩かないの?」と言われ、「や、今日はもう十分歩いたから」と言うと、「知ってる。キミが歩いているの見かけたヨ!」と言われた。ウケる。
フェリーハウスにつくとちょうど対岸から来た船がまさに接岸するところだった。スムーズに乗り換えふたたびボーネス・ウィンダミアへ。たった一晩ニアソーリー村でのんびりしただけで、なんだかボーネスのにぎやかさが不思議なかんじに思えるように。ニアソーリーでずっと暮らすという人生もいいなあ・・・。

そこらへんのパブに入ってギネスとフィッシュ&チップスでランチ。んまい!ほろよいのテンションで、もう、ウィンダミアの駅までまた歩いちゃえ!と歩き始めたのだけど、これはなかなか遠い。前日と同じ道のりなのになぜか遠くかんじた。

ほうほうのていでウィンダミア駅にたどりつき、よい時間の電車がないのでバスでオックスホルムまで。バスのなかで15分くらい熟睡し、ものすごく可笑しい夢をみて口をあけてニヤニヤしながら目が覚めた。オックスホルムの駅のホームで聞いたことのない鳥の鳴き声を聞きながらそよそよと風に吹かれながら読書。きもちいい!プレストン行きの電車に乗ると、大音量でリアーナの"Only Girl"が聞こえてきて、あれ?わたしのiPhoneから流れてるのかな(旅行中よくiPodでこの歌を聞いてたので)?と思ったけどわたしのは無音。まわりを見てみると、通路をはさんだ席に座っているとても真面目そうな雰囲気の小学生男子のイヤホンからガシガシ音もれしていた。そっかー、英語圏では小学生がリアーナとか聞いてるんだー、と感心。
乗り換えた電車の混み具合がなかなか壮絶。たしかマンチェスターかどっかの空港行きの電車だったのかな。前日に買ってた切符には指定の座席が記載されていたけれど、通路まで人があふれかえっていて、自分の席までたどり着けそうもなく、しかも誰か座っていそうな気配なのであきらめてじっとすし詰めの電車にゆられた。
マンチェスターピカデリーでようやくVirgin Trainのロンドン行きに乗り換え。窓のない席で黙々と読書。ちょっと小腹がすいたのでスープを買って、あとお酒も買って黙々と口にしつつ読書。
ユーストン駅に着き、地下鉄を乗り継いでホテルに到着したのは22時頃。The Sumnerのひとが「おかえりなさい!」と迎えてくれ、預かってもらっていた荷物も部屋まで運んでくれた。移動疲れと時差ボケでこてっと就寝。