欧州・中東・亜細亜めぐり Day 2 ロンドン-湖水地方

目覚めるといい天気!BBCをつけるとハイドパークにも人が続々と集まってます〜、との報道。地下の朝ごはん室で美味しい食事をもりもり食べたあと、ハイドパークまでお散歩。マーブルアーチ周辺を行きかうひとたちがおおむね英国旗を持っていたり、"William loves Kate"のTシャツを着ている若い子がいたり、ベールをかぶった女子集団がいたり。街全体にしあわせで明るいムードがあふれていて楽しい。

セルフリッジの9時半開店を待って入店。ここ、あとから知ったのだけど、ラブアクチュアリーローワン・アトキンソンがシナモンの香りにうっとりする店員役をやっていたあのデパートだったのですね。ここのShoe Gallaryが圧巻!見渡す限りずらりと並んだ魅惑の靴たちと、さらに高級靴のショップはちょっとずつ小部屋っぽく店が並んでいて、もー、もー、一日中ずっとここにこもって足の皮がすりきれるまで靴を試着し続けたい!!!熱に浮かされたように靴たちのあいだをふわふわとめぐり続けていたけど時間切れ。また来るわ!

これまた素敵な食料品売り場でランチ用のサンドイッチを買って一旦ホテルに帰館。チェックアウトし、翌日の夜にまた戻ってくるのでスーツケースを預かってもらい、地下鉄でユーストン駅へ。道すがらパブのテレビでウェディング中継を見ているひとたちの歓声が聞こえてきたりして、やはりしあわせムードが漂うロンドン。オイスターカードを買ったら、ウィリアムとケイトの写真入りだった。ほほほ。

日本からVirgin Trainのウェブで予約していたウィンダミア行きのチケットを発券し、乗車。座席けっこう狭い。菜の花かなにか黄色い花が一面に咲いた畑がことあるごとにたくさん見えて美しい。あと、たまに見かけるのが背中にぱふっと布をかぶった放牧された馬たち。あれ何だろ?洋服?

オックスホルムで乗り換え、20分ほどでウィンダミア到着。ウィンダミア湖のほとりまで歩いてみようと、iPhoneのマップ機能を起動。便利便利。可憐な町並みにときめきながら30分ほど歩くとボーネス・ウィンダミアに到着。なかなか栄えています。"The World of Beatrix Potter Attraction"というベアトリス・ポターの作品を立体的に展示しているところへ。ピーター・ラビットやらベンジャミン・バニーはもちろんMrs. Tigggy-WinkleやらJemima Puddle Duckなどいろんなひとたちがいてぎゅんぎゅんときめく。10歳のわたしをここに連れてきたら、もう、ときめきすぎて失神しちゃうんじゃないかしらと思った。

ウィンダミア湖のほとりへ行くと観光客で大賑わい。ソフトクリームを食べたり湖のほとりをぷらぷら散歩したあと、目的地への船に乗船。乗客はわたし一人だった。風が、空気が、きもちいい!景色が美しい!とウキウキしながら貸切ボートでウィンダミア湖クルーズ。対岸のフェリーハウスへで下船し、ここから宿まで歩くためにふたたびiPhoneのマップ機能を起動し、ヒルトップ農場とニアソーリー村へと続くfootpathへ。この遊歩道の配置がけっこうトリッキーで、え、そんなとこに?という感じで入り口のゲートがあちこちにあるので、ちょっと宝探しゲーム気分で楽しい。そしてひたすら羊だけがメーメーいってるだだっぴろい草原でもちゃんと地図上でわたしの居場所を教えてくれるiPhone

場所によっては「遊歩道の入り口です。私有地だけど気にせず通ってネ☆」とか書いてあって、人の家の敷地をハイすみません、と歩いているとちょうど住人がでてきてどうもどうもとあいさつしたり。いたるところに仔羊がいて、いちいち可愛い。緑と風と羊とわたしだけ、という夢のなかにいるような穏やさがしあわせ。

ヒルトップ農場の前を通りすぎ、宿泊先のEes Wyke County Houseに到着。ベアトリス・ポターがヒルトップに住む前に、サマーハウスとして宿泊していた建物とのことで、湖水地方に行くなら絶対この宿で!と心に誓っていた憧れの場所。むくむくの巨大な犬が二匹が出迎えてくれた。オーナーシェフのリチャードさんに部屋に案内してもらい、庭で紅茶を飲みながら、羊が群れる牧草地の向こうのEsthwaite Waterというこじんまりした湖を見ながらぼーっ。しあわせ。
湖までは牧草地をつっきっていくとのことで、羊の群れのなかを一人で歩いていると、「こどもたち!こっち来なさい!」と親羊たちがメーメー仔羊たちを呼びよせたり、ぼふっ、ぼふっ、と聞いたこともない声でわたしを威嚇したり、気づくと遠巻きに沢山の羊に囲まれていた。なにもしませんよヘヘッ、と羊たちに無駄に笑顔をふりまきつつ湖のほとりへ。ただひたすらうっとりと心地よい静寂のなか、ぼーっ。

そしてふたたび羊たちに威嚇されながら宿へ戻ると晩御飯の時間。羊たちと湖の向こうに沈む夕日を見ながら、美味しいワインとともにきのこのソテー、アスパラガスの焼いたん、シーバスのグリルなど、いずれも美味。料理を終えたリチャードさんがそれぞれのテーブルをまわって挨拶し、メインにラム肉を食べているゲストに「ここでよくもそんなもの食べられますね!窓の外を見てくださいよ!」と言っていてウケた。
デザートをいただいたあとはラウンジに移動。ディナーの客は、英国人とブラジル人のカップル1組とおひとり様参加は私と英国人女性二人、という組み合わせで、皆で食後のコーヒーやデザートワインを飲みながら談笑。子どものころピーターラビットが大好きで湖水地方にくるのが夢だったんです、と私が言うと、「日本でもピーターラビット有名なの?なに、イギリスの童話とかファンタジーって日本で有名なの?ロード・オブ・ザ・リングって知ってる?ロアルド・ダールの作品は?」等、びっくりされた。さらに「日本にウサギっているの?」とまで!いるYO!
やはり地震の話になったり、ロイヤル・ウェディング話になったり、熱く語りつくしたのち部屋に戻り、別室の専用バスルームでゆったりとお風呂。ブリジット・ジョーンズの日記とかイギリスのチックリットでよく読む、恋人の友人のカントリーハウスで週末をすごす、というようなシチュエーションってまさにこういう建物での話なんだろうな、とふと思った。イギリスに着いてからこっち、映画や小説のなかにいるみたぁーい、とずっとかんじている。そういう気分になる外国ってよくありそうで意外と少ない。