最近みた映画

テンポがよい、好みのタイプの映画。家族を形成すること、家族であり続けることは楽なことじゃないけど、やっぱり悪くないものだネ、という話をちょとひねった設定で語っているところも好き。わたしはおもしろおかしく一人で生きているマーク・ラファロのポジションで傍観していたので、彼にもなんらかの幸せな道があるとよいのだがなあと思いながら見ました。

テイラー・スイフトの"Love Story"がすごくハマっていて、この歌が流れているあたりの展開などは、ひさしぶりに映画で気持ちよく泣いた。おなじみのロマンティック映画といった趣だけど、ヴァネッサ・レッドグレイブの凛としたたたずまいが映画の格をぐっとあげている。ちょこっと顔を出すガエル・ガルシア・ベルナルくんがキュート。
原題は「ジュリエットへの手紙」なのに、どうして邦題は「ジュリエットからの手紙」なんだろ?

  • イザベラ

マカオのなにげない景色の味わい深さと、画面に現れるたびに違う顔に見えて目がはなせないイザベラ・リョンの魅力にひきこまれる。でも、チャップマン・トーは役者としては好きだけど、こういう、なんか、男としての一面を前面に出した役だと、なんだかちょっと受け入れづらい。ううむ。

  • ビヨンド・アワ・ケン

これすっごく、すっごく好き!家でVCDでぼーっと見るのが初見じゃなくて、特集上映で映画館で出会うことができて本当によかった。好きな香港映画ベスト5にいきなりくいこむ勢い。阿嬌が塩づけの金柑を食べるシーンは、あらゆる映画のなかでベスト5に入る名シーンに確定しました。悲しく切なく美しい!パン・ホーチョンはしばしば女性のはてしない恐ろしさをこれでもかと言わんばかりに描くけれど、本作では女同士の奇妙な友情を巧みに描いていてわりと女性側によりそった視点で撮っているのがなんか違ったかんじで面白いなー、と思いながら見ていると、、ラストでまた、ああ、やっぱりホーチョン・ワールドでしたネ!という展開になるのがおかしかった。しかしこれ、現実が映画と重なり、むしろ超えてしまうということがあるんだなあ、としみじみするというか、阿嬌が写真がどうこうと言うたびに、現実の彼女と完全にリンクして、いかんともいいがたいもわーっとした空気が劇場内に流れるような、この世にふたつとない珍しい作品。ああいうことで完全には潰れてしまわないタフさを感じるいい女優だと思うので、これからが楽しみ。