ファミリー・ツリー

このまえデルタ機内のスクリーン(パーソナルTVじゃない、あの昔ながらの通路の上に点々とするちっこいテレビのみ)でこの映画が流れていて、たまに目をやるたびにいつもジョージ・クルーニーが柄物のシャツを着てしょぼくれた顔をしていたので、なんとなく気になって原作本を読んでみたら、なるほどそりゃしょんぼりもなるよね、というかんじのお話で、でもなかなかいい小説でした。映画をあらためて見てみると、小説に書かれたもうちょっと複雑な部分を上手くスルーしていて、浅すぎず深すぎずのほどよい人間ドラマに仕上がっていた。ハワイアンな音楽もいちいち耳に心地よく、カウアイ島の景色が美しかった。
ハワイに住んでるからといって四六時中フラダンス踊ったりサーフィンしたりして呑気に生きてるわけじゃないんだ、悩みはあるんだよ、的なことを主人公にぼやかれて、あ、そうか、とちょっとハッとしました。ほんと、ハワイでの生活ってストレスフリーなイメージがあって単純に憧れちゃうけど、人が生きている限り、なんらかの問題というのは起こるものなのだと。とはいえ、どうせくよくよするなら、ハワイのあのおだやかな気候や風土のなかでくよくよしたい!